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新生児遷延性肺高血圧症

新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)とは、出生後の呼吸循環適応障害の1つで胎児期における肺高血圧の状態が出生後も持続することによる低酸素血症です。

新生児遷延性肺高血圧症の病型分類

新生児遷延性肺高血圧症の病型は原発性新生児遷延性肺高血圧症と続発性新生児遷延性肺高血圧症とがあります。

【原発性新生児遷延性肺高血圧症】
原発性新生児遷延性肺高血圧症とは、基礎疾患が認められないものできわめて頻度が低いものです。
【続発性新生児遷延性肺高血圧症】
続発性新生児遷延性肺高血圧症とは、基礎疾患に引き続いて起こるもので、ほとんどがこれに該当します。

新生児遷延性肺高血圧症の症状

新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)では、呻吟、多呼吸、陥没呼吸などの強い呼吸障害とともに上半身に比べ下半身に強いチアノーゼを認めますが上下肢で脈の触知や血圧の差は認められません。啼泣、体動、処置などによりチアノーゼは増強します。
呼吸障害の程度に比べてチアノーゼが著明です。
新生児仮死、胎便吸引症候群、肺低形成などによく続発します。
動脈管を介して右→左シャントした血液が流れる下肢にチアノーゼがより強くみられ、三尖弁逆流による心雑音を聴取されます。

新生児遷延性肺高血圧症の診断

新生児遷延性肺高血圧症の診断は呼吸障害やチアノーゼなど臨床症状と心エコー所見が必須となります。
その他に、血液検査、生化学検査、心電図、動脈血液ガス・肺機能検査所見、胸部X線、肺換気血流スキャン、胸部CTなどがおこなわれます。

新生児遷延性肺高血圧症の治療

病因となる基礎疾患がわかっている場合は、それぞれの基礎疾患の治療が行われます。
同時に、あらゆるストレスにより交感神経が緊張し肺動脈の収縮を引き起こし、症状の悪化が考えられるため赤ちゃんにストレスをかけない注意が必要となります。
苦痛を伴う検査や処置を行う場合は、鎮静剤および鎮痛剤を積極的に使用されます。
一般に気管内挿管が行われ、人工呼吸管理として高濃度酸素(初期は100%)を使用し血液中の二酸化炭素をやや低めに維持し、人工呼吸器に通常のものでなく高頻度振動型人工呼吸器HFOを使用することもあります。

新生児遷延性肺高血圧症の予後

新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)の予後は必ずしも良好とはいえません。

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