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未熟児無呼吸発作

未熟児無呼吸の定義は、在胎期間37週未満で出生した早産児で無呼吸の原因となる基礎疾患をもたない児における20秒を超える呼吸休止、または20秒未満の気流中断と呼吸休止で徐脈(80拍/分未満)か中心性チアノーゼ、もしくは85%未満の酸素飽和度を伴うものとされます。

未熟性無呼吸発作の発症頻度

早期産児の約25%が未熟児無呼吸を発症し、在胎28週未満の児では90%以上に認められます。

未熟性無呼吸発作の原因

早産児の呼吸中枢の機能が未熟なため、突然中枢性に無呼吸となって低酸素脳症とります。

無呼吸発作の分類

無呼吸の種類としては、中枢性、閉塞性、その混合性のものがあります。

  1. 中枢性無呼吸:中枢性無呼吸は、中枢性の呼吸抑制、呼吸運動と気流の両方が停止するもので呼吸調節中枢の未熟性によって生じます。
  2. 閉塞性無呼吸:閉塞性無呼吸は、上気道の閉鎖によります。呼吸運動は存在するのですが気流が遮られます。
  3. 混合性無呼吸:中枢性無呼吸と閉塞性無呼吸の2つが混在したもので多くは中枢性が先行するもので無呼吸の半数以上をしめます。

未熟性無呼吸発作の症状

未熟性無呼吸発作の症状は、呼吸が20秒以上停止するか20秒以下でも脈拍が100以下に落ちたりチアノーゼを伴うことがあります。

未熟性無呼吸発作の診断

無呼吸自体は観察にて確認でき、呼吸モニタリングによって診断が行われます。
在胎35週以上の児の無呼吸発作では、原因を調べるために血液検査で血糖・カルシウム(Ca)・ナトリウム(Na)・アンモニアなどの代謝性因子、感染関連項目(白血球数、好中球核左方移動の有無、CRP値)の検査をおこない異常がないかどうか確認されます。
血液検査で異常を認めない場合は、中枢性無呼吸の鑑別が行われます。
頭部超音波検査では脳室内出血および水頭症の有無は確認可能です。
くも膜下出血、硬膜下出血は頭部CTにて確認可能です。

未熟性無呼吸発作の治療

繰り返す無呼吸発作は神経学的予後に影響するので治療が行われます。とくに、在胎週数が若いほど低酸素に対しては呼吸を抑制する方向に反応するため低酸素を予防することが重要となります。
薬物治療としては、無呼吸発作の予防効果のためにキサンチン製剤 、キサンチン製剤で効果が不十分である症例に対してドキサプラム、欧米ではカフェインを無呼吸発作の治療として多く用いられます。

未熟児無呼吸発作の予後

ほとんどの早期産児は、在胎37週に達する頃までには無呼吸発作を起こさなくなりますが極端に短い在胎期間で生まれた乳児では無呼吸が数週間続く場合があります。
死亡率は、治療の有無にかかわらず問題にならない程度です。

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