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新生児一過性多呼吸

新生児一過性多呼吸(TTN)とは、出生直後にみられる肺液の吸収遅延を主な病態とする肺呼吸の確立障害による呼吸窮迫徴候を主張とする疾患で基本的には正期産ないし、34週以後の新生児にみられる呼吸器疾患です。

新生児一過性多呼吸の発症機序

子宮内では肺液に満たされていた肺は、出生後すぐに空気で膨らみ呼吸が確立します。
自発呼吸の準備として妊娠後期になると胎児の肺液は減少しはじめ、分娩開始とともに肺胞腔からの肺液の吸収、浸透圧勾配の他、産道通過の圧迫による肺容量の低下とそれに引き続く第一啼泣によって起こる空気による肺の拡張も関与していると考えられています。
これらの一連の機序のうちいずれかが乱れても呼吸確立に影響し、肺の適応障害により新生児一過性多呼吸(TTN)を発症すると考えられています。

新生児一過性多呼吸の発生頻度

新生児一過性多呼吸(TTN)は新生児の呼吸障害の中で最多で、出生1000に対し11例の発症の報告があります。

新生児一過性多呼吸の症状

肺水が吸収されるまでは、多呼吸、呻吟、陥没呼吸、チアノーゼなどの呼吸窮迫症状を呈します。
通常は、生後数日のうちに軽快し、特に後遺障害を残すことはありません。ただし、まれに人工呼吸器管理を必要とすることもあります。

新生児一過性多呼吸の診断

出生直後の多呼吸を主とした症状と胸部X線とで診断されますが、他の呼吸器疾患の可能性を否定した後の除外診断となります。
胸部X線所見: 肺野全体の透亮像の低下に膨張部分を伴うことが特徴的である。

新生児一過性多呼吸の治療

肺水が吸収され症状が改善胎するあまでは、呼吸障害のサポートが行われます。
軽症例では酸素投与、重症例では、気管挿管、人工管器、、されには肺サーファクタント充填療法が行われます。

新生児一過性多呼吸の予後

新生児一過性多呼吸(TTN)は、一過性で予後は良好です。

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