妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児のなんとなく元気がない

"なんとなく様子がおかしい"
"なんとなく元気がない"
あくまで主観的で漠然とした表現なのですが、あらゆる新生児疾患の初期症状、新生児の異常徴候で、新生児の異常を早期に現す代表的なサインといえます。

新生児のなんとなく元気がない(Not doing well)状態とは

新生児を診察する場合、視診、触診、打診などが行われ、そのなかで重要なものが視診だといえます。
新生児の皮膚の色、呼吸状態、姿勢、覚醒レベル、、自発運動などを観察することである程度の判断することができます。

新生児のWell-beingな児の特徴

Well-beingな児の特徴としては以下のようなものがあげられます。

  1. 覚醒レベル:さまざまなレベルがある。眠ってばかりではない。泣いてばかりではない。
  2. 皮膚色:末梢まで循環が良い。チアノーゼ、黄疸、蒼白、多血がない。
  3. 呼吸:比較的、規則正しい呼吸。陥没呼吸、鼻翼呼吸、多呼吸、呻吟がない。
  4. 姿勢:大腿を外転、膝、足首、肩、肘をなめらかに動かす。左右対称な姿勢。
  5. 筋緊張:四肢を対称に動かし、手のひらを握ったり開いたりする。時折、吸綴。

新生児のNot doing wellから連想される疾患

新生児のNot doing wellから連想される疾患は以下のようなものがあげられます。

  1. 感染症:細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、先天性胎内感染症など。
  2. 電解質異常:低カルシウム血症、高カリウム血症、高ナトリウム血症、低ナトリウム血症
  3. 内分泌・代謝異常症:低血糖、甲状腺機能亢進症・低下症、副腎皮質過形成、晩期循環不全、副腎不全、糖代謝異常症、アミノ酸代謝異常症、尿素サイクル異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症など。
  4. 循環器系疾患:発作性症上室製頻拍、先天性心疾患(動脈管依存症、左右短絡性疾患)動脈管開存、心筋炎、心筋症、動脈奇形(脳動脈奇形など)など。
  5. 呼吸器系疾患:胎便吸引症候群、肺炎、エアリーク症候群、慢性肺疾患など。
  6. 神経筋疾患:新生児仮死、頭蓋内出血、低酸素性虚血脳症、分娩外傷、分娩麻痺、脳梗塞、先天性筋疾患(筋緊張性ジストロフィー)、核黄疸、脳内奇形など。
  7. 消化器系疾患:初期嘔吐、胃食道逆流、消化管閉鎖・狭窄、消化管穿孔、壊死性腸炎、ミルクアレルギーなど。
  8. 医療性疾患:不適切な輸液、薬物中毒・副作用、母体麻酔薬投与、不適切な環境温度など。
  9. その他:寒冷障害、貧血、奇形症候群、染色体異常、週数誤差による児の評価、認識違いなど。

新生児のNot doing well時の検査と処置

新生児のNot doing well時の検査と処置は以下のようなものがあります。

  • 妊娠分娩の経過を再度確認する。
  • 新生児の体温、呼吸、心拍、血圧などバイタルサインを確認する。
  • 赤ちゃんを保育器に収容する。
  • バイタルサインのモニタリングを行う。
  • 検査としては、CRP、血算、血糖、電解質、ビリルビン、血液・咽頭ぬぐい液培養、血液ガス分析、検尿、胸部X線検査、心臓や脳の超音波検査など行い、異常の原因を検索する。
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