妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児の易刺激性と痙攣(けいれん)

新生児の中枢神経系は、出生の前後で大きなストレスに遭遇することになります。
新生児の脳は発達途上であるため、障害を受けやすいのですが、一方では障害を受けた部分を他の神経細胞がカバーするような可朔性もあります。

新生児における易刺激性とは

新生児における易刺激性とは、わずかな刺激で著明なモロー反射が出たり、手足をぶるぶるふるわせる状態で痙攣(けいれん)の前駆症状または中枢神経系の異常の状態とみなされます。

痙攣とは

痙攣(けいれん)とは、さまざまな原因により、全身的または部分的に筋肉が収縮し、不 随意運動を起こすことをいいます。

痙攣様症状とは

新生児が、四肢をピクピクさせたり突っ張ったり、口をもぐもぐさせたりなどの痙攣のような症状をいいます。

新生児痙攣

新生児痙攣は正期産児では約0.5%にみられるといわれています。未熟な脳ほど発作の頻度は高くなります。
新生児は、大脳皮質機能が未熟で神経線維も未発達なため、唇や舌の規則的な運動、奇妙な動作、瞬きなどの微細発作という形をとることが多く、幼児や学童のように強直性痙攣(四肢に力が入り硬直した状態)や間代性痙攣(四肢をピクン、ピクンと屈曲させる)になることが少ないため、見極めがむずかしいく、新生児痙攣の診断には発作時の脳波検査が必要になります。
また、最近では、新生児痙攣「neonatal seizure」の「seizure」を発作と訳し、新生児発作と呼ぶことが推奨されています。

新生児期の痙攣の種類

新生児期の痙攣は、年長児と同様に全身痙攣を示すこともありますが、しばしば「にらむ」「吸綴運動」「ペダル漕ぎ」「ボート漕ぎ」「徐脈」など、独特の症状や外見的にはわからない症状も見られるので注意が必要です。

新生児痙攣の原因

  1. 低酸素性虚血性脳症
  2. 代謝の異常:低カルシウム血症、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症など。
  3. 感染症:髄膜炎、敗血症、脳炎、胎内感染症など。
  4. 脳疾患:頭蓋内出血、脳梗塞、脳形成異常など。
  5. 先天性奇形症候群
  6. 先天代謝異常症:アミノ酸代謝、尿酸代謝異常、ミトコンドリア病、ペルオキシソーム病など。
  7. 遺伝性痙攣性疾患
  8. 薬物離断症候群:麻薬、抗てんかん薬など。

痙攣時の処置・検査・治療

明らかな痙攣の場合は、検査とともに抗痙攣薬の投与、必要があれば酸素投与などの治療が行われます。
検査には、血糖、電解質、血液ガス、アンモニア、生化学、血液検査、血液培養、CRP、頭部超音波検査、脳波検査、頭部MRI検査、先天代謝スクリーニング検査などが行われます。
原因によって異なりますが、ビタミンK補充、新鮮凍結血漿輸血、血小板輸血、胃洗浄、制酸薬、胃粘膜保護薬、ヒスタミンH2受容体拮抗薬、高圧注腸、外科的手術などがあります。

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