妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児の浮腫

浮腫とは、組織の間質に余剰の水分が貯留した状態のことをいい、一般的には「むくみ」といわれます。

浮腫が起こるメカニズム

ヒトの身体の液体成分を体液といい、血管内に存在する血漿、身体の組織の細胞と細胞の間に存在する組織間液、細胞内にある細胞内液の3つに分類されます。
組織間液は毛細血管からこしだされ再吸収され、一部がリンパ液になります。これらのどこかに障害が起これば浮腫が起こります。

浮腫の分類

浮腫がみられる場所により、全身性浮腫と局所性浮腫に分けることができます。

全身性浮腫

全身性浮腫は、基本的には全身性疾患に伴って全身に出現しますが、同じ疾患でも病態の違いによって臨床的な症状に違いがあることもあります。

局所性浮腫

局所性浮腫は毛細血管の透過性亢進により血管内から間質への体液移行が促進され発生します。例えば、熱傷や炎症、虫刺されなどによる炎症に伴って生じます。また、悪性腫瘍などによるリンパ管の閉塞によりリンパ液が組織間液として貯留し浮腫を生じます。この場合には腫瘍がある部位より末梢側に生じます。

新生児にみられる問題のない浮腫

新生児では、正常児でも出生後に浮腫が認められます。
生後24時間は分娩時のストレスなどによって分泌される抗利尿ホルモン(ADH)の作用や腎機能が十分に適応しないことから尿量が少ない。
出生後24~72時間ごろ、腎の適応が進み、また循環も安定すると利尿がつき浮腫が軽減します。

新生児の問題となる浮腫

正常児でもみられる浮腫と違って、全身に著明な浮腫(皮下水腫)と胸水、腹水などの腔水症がみられる場合を胎児水腫といいます。
胎児水腫の原因は、母児間血液型不適合妊娠による免疫性胎児水腫とそれ以外の非免疫性胎児水腫に分けられます。
非免疫性胎児水腫の原因は心原性が24%、リンパ還流障害が18%で原因不明の突発性のものが36%を占めています。

新生児の浮腫の観察

浮腫が改善するまでは、体重のチェック、尿量と哺乳量のチェックをおこないます。

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