妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児の便秘

新生児のなかには、生後何週間かすると2~3日排便がみられないことがありますが、これが便秘かどうかは赤ちゃんの状態によります。

新生児の排便の特徴

新生児の排便の特徴は以下のようなものがあげられます。

  • 大人と比べて体に対する消化管の比率が大きい。
  • 排便をつかさどる神経の働きが未発達で、便がたまるたびに1日に何度でも反射で排便がある。
  • 大腸で吸収される水分以上に腸の粘膜から分泌される水分量が多いため、便の水分量が多い。
  • 直腸部が細く、便をたくさためておくことができない。
  • 意識的に排便をコントロールすることができない。
  • 動いたり、ミルクを飲んだり、胃や腸がちょっと刺激を受けるだけで反射的に排便がある。
  • 胎児の頃の腸内は無菌状態で、出生直後から腸内細菌を獲得する。

新生児の排便の判断

赤ちゃんの便秘は、排便がみられない日数だけでは判断できず、以下のことが判断の参考となります。

  1. おなかが張って、苦しそう。
  2. おっぱいやミルクの飲みが悪い。
  3. 多量に吐いてしまう。
  4. 機嫌が悪い、激しく泣く。
  5. 眠りが浅い。
  6. 元気がない。
  7. 顔色が悪い。
  8. なんとなくおかしい。

新生児の便秘を伴う疾患

新生児における便秘は主に器質性便秘、機能性便秘、症候性便秘、薬剤性便秘に分けることができます。

新生児の器質性便秘

器質的疾患が腸管に存在することによって起こります。
代表的な疾患としては、直腸肛門奇形(鎖肛)、腸管回転異常、消化管閉鎖、ヒルシュスプルング病などがあります。

新生児の機能性便秘

機能性便秘は大腸における運動機能の減弱、緊張亢進、直腸における排便反射の減弱などが原因となる便秘であり、腸管の器質的疾患は認められません。

新生児の症候性便秘

症候性便秘は他の疾患に合併する便秘で新生児に問題となるものとしては、甲状腺機能低下症があります。甲状腺機能低下症では、腸管運動が低下し頑固な便秘を呈します。

新生児の薬剤性便秘 基礎疾患を伴わない機能的便秘

薬剤性便秘は抗コリン薬、麻薬などの使用による腸管運動の抑制のために起こります。赤ちゃんに使用されなくても、母体が使用していると起こる場合があります。

便秘による影響

新生児において様々な原因によって便秘起こるのですが、便の大腸通過時間が長くなり、直腸からの便の排泄が遅れ、処置や治療が行わないと、徐々に腹部膨満が著明となり、その後哺乳力低下、おう吐を認めるようになります。
早産児の場合は、腸管壁が薄く、便秘の状態が長く続くことにより消化管穿孔を起こすことがあります。

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