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新生児の腹部膨満

腹部膨満は新生児によくみられる症状です。

腹部膨満(腹満)とは

腹部膨満とは、ガスの貯留や腫瘍などにより腹部の容積増大に伴う腹囲の増大をいいます。

新生児の腹部膨満

腹部膨満は正常新生児でもおう吐とともによくみられる症状です。
授乳直後にお腹がパンパンになっていることがあり、次の授乳までに消失していれば問題はありません。出生時から明らかな腹部膨満がみられたり、出生後進行するものでおう吐、下痢、排便異常、呼吸や循環障害を合併する場合は病的な可能性があります。

新生児の病的な腹部膨満

腹部膨満の発症時期により胎児期と出生後に分類することができます。
胎児期に発症し、進行している場合は、腹部膨満は出生時に明らかな腹部膨満を認めることが多く、これらは腫大した実質臓器の可能性が高く、TORCH(トキソプラズマ、風疹、サイトメガロ、ヘルペス)などの先天感染症による肝脾腫や水腎症、腎奇形などが考えられます。
一方、生後に腹部膨満をきたし、次第に進行するものは腸管内のガスや分娩による内臓実質の損傷などが考えられます。腸管の拡張によるものは下部消化管閉鎖、イレウスやヒルシュスブルング病などが考えられ、実質臓器に関連するものでは副腎出血や肝臓皮膜出血などが考えられます。

腹部膨満の症状がある病気

病的な腹部膨満は、消化管の器質的、あるいは機能的な通過障害や腹腔内容の増大などによって起こります。
全身性疾患で状態が悪化すると、消化管の運動が抑制されて腹部膨満をきたすことがあります。

  1. 機械的イレウス:消化管閉鎖・狭窄、消化管軸捻転など。
  2. 機能的イレウス:ヒルシュスプルング病、敗血症、壊死性腸炎、薬物中毒、低カリウム血症など。
  3. 呑気症:胃軸捻転など。
  4. 腹部腫瘤:水腎症、多のう胞腎、ウィルムス腫瘤、神経芽細胞腫など。
  5. 腹水その他の液体の腹腔内貯留:腹膜炎、乳び腹水、腹腔内出血、肝臓破裂など。

腹部膨満の検査と診断

腹部膨満の発生時期、腹部膨満の原因が腸管内ガスか腸管外ガスか、実質臓器か、液体かの判別である程度の鑑別がつきます。

  • 腸管ガス、石灰化など…腹部レントゲン
  • 実質臓器…超音波断層撮影
  • 消化管閉鎖など外科的疾患…消化管造影
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