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新生児のチアノーゼ

チアノーゼは新生児によくみられる症状の一つです。チアノーゼは問題のないものから重大な病気の症状として現れるものもあるため注意が必要です。

チアノーゼとは

チアノーゼは、毛細血管内の還元ヘモグロビンの増加により皮膚や粘膜が青色を呈する状態をいいます。
通常、末梢血の還元ヘモグロビンが5g/㎗以上になるとチアノーゼが確認できます。チアノーゼは、からだ全体がふつうよりも酸素不 足の状態です。
呼吸がさまたげられるとさらに酸素不足がひどくなり、長い時間泣くと顔色はふ だんよりも悪くなります。

新生児のチアノーゼ

新生児では、還元ヘモグロビン3g/㎗で認められます。
四肢末端に認められる末梢性チアノーゼは生後みられ、低体温や多血症の場合にも好発しますが必ずしも病的ではありません。しかし、中心性チアノーゼは異常所見であるため検査や治療が必要とされます。

チアノーゼの分類

全身の皮膚や粘膜に見られる中心性チアノーゼと四肢の皮膚に限局してみられる末梢性チアノーゼに分けることができます。

末梢性チアノーゼ

末梢チアノーゼは、四肢末梢にみられるチアノーゼで四肢末梢の毛細血管の血流が停滞すると相対的酸素消費亢進によって還元ヘモグロビンが増加しチアノーゼが発生します。
生後早期の新生児や未熟児では末梢循環を調節する血管運動神経が未熟なため起こしやすく、低体温や多血症のためと考えられ、チアノーゼに対しては特別に処置を要しません。
出生後の低体温など何らかの原因により低体温をきたすと末梢の循環が停滞しチアノーゼを来たします。また、新生児は生理的に多血であり、チアノーゼを来たしやすいといえます。
大部分の新生児で出生直後に認められます。

中心性チアノーゼ

中心性チアノーゼは、口唇や顔面の中央部分、あるいは体幹にチアノーゼが認められます。動脈血中の酸素分圧や酸素飽和濃度が低下した場合に見られます。
新生児の中心性チアノーゼは、中枢性呼吸抑制、呼吸器疾患、チアノーゼ性心疾患の順に多くみられます。
持続性であれば先天性心疾患、新生児遷延性肺高血圧症、呼吸器疾患などが疑われます。

チアノーゼがみられるときの検査

まずは、末梢性チアノーゼか中心性チアノーゼかの鑑別のために検査が行われます。

  • 血液ガス分析、血球分析(多血症,貧血チェック)、血糖チェック
  • 胸部X 線,心電図,心エコーによるチェック
  • 酸素負荷試験…中心性チアノーゼか末梢性チアノーゼかどうしても鑑別がつかないときに100%酸素を負荷して児のPaO2の変化によって鑑別します。
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