妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児の心雑音

新生児の循環系の最も大きな特徴の1つは、胎内循環から胎外循環への適応の過程で肺循環が確立することで、それに伴う種々の変化は劇的です。その適応がうまくいかない場合はいくつかの循環系の障害も生じてきます。

新生児の循環器の変化

出生直後、臍帯結紮が行われ、血流が絶たれると動脈管(ボタロー管)を通って下行動脈(肺動脈)へと流れていた血液は肺へ環流し、肺血流量が増加します。増大した肺血流は心房の右心房圧を低下させます。左心房圧を上昇させるために弁状になっていた卵円孔は閉鎖します。また、動脈管、静脈管の血液も停止し、血管は閉鎖していきます。

新生児の心雑音

心雑音は、心臓の異常や病気の症状の1つではありますが何ら異常や病気がない正常新生児の約30~70%に聴かれるといわれています。
出生後、胎児循環から新生児循環への移行の時期で、卵円孔、動脈管は機能的には出生後まもなく閉鎖するのですが数時間開存して心雑音を聞くことがあります。
また、心臓の壁に血液があたったり、血管の壁に心音が共鳴したりするもので、これは機能性(無害性)心雑音といいます。
すなわち、新生児期の心雑音は疾患の存在を示すとは限らず、正常な新生児でも聴取できます。
しかし、新生児の心雑音の原因として先天性心疾患があります。心雑音を伴う病気には、動脈管開存症、心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、ファロー四徴症などがあります。
一般的に、生後数日で消失しない心雑音は、専門医による診察や検査をする必要があります。
心疾患の中には、心雑音だけでなく、顔色がいつも悪い、手足が冷たく色が悪い、ミルクの飲みが悪い、泣いた後でもないのに息がいつも荒く哺乳中何度も休憩する、元気がないなどの症状がみられる場合もあります。

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