妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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新生児の無呼吸

新生児はガス交換は余力がなく、代謝が亢進すると容易に呼吸不全に陥ることになります。
また、新生児の気道は細く小さいうえに未発達であり、軟らかく、圧迫されやすいため、分泌物や気道粘膜の炎症などによって気道が閉塞され空気が入らなくなります。
呼吸中枢の低酸素抑制が優位な特徴をもっているため無呼吸や低酸素症に陥りやすいといえます。

新生児の呼吸の特徴

正常な新生児の呼吸数は1分間に30~60回程度、腹式呼吸で呼吸はおもに鼻からおこなわれています。
新生児は呼吸中枢が未熟なために出生後しばらくは正常な新生児でも呼吸リズムは不規則で、短い無呼吸がみられることがあります。5~10秒の無呼吸は正常時にもみられることがあります。

新生児の呼吸の観察

呼吸の観察は、安静時に胸腹部の動きによって1分間計ります。
呼吸数とともに無呼吸があれば、その時間を計っておきましょう。また、新生児の呼吸を観察する場合には呼吸数だけではなく、胸とお腹が同時に上下しているかどうか、呼吸の際にうなるような声やゼイゼイなど音が聞かれないか観察しましょう。呼吸状態が良ければ、赤ちゃんはきれいなピンク色をしています。

新生児の無呼吸

呼吸休止が20秒以上続いたり、あるいはチアノーゼや徐脈(新生児の場合は100回/分以下)を伴う呼吸休止を無呼吸といいます。
未熟児では、呼吸中枢が未熟なためみられますが、呼吸の規則性は在胎34週ころに確立しますから、成熟新生児にみられる無呼吸は何らかの原因が考えられます。

早産児の原発性無呼吸

早産児において問題のない無呼吸を原発性無呼吸といいます。原発性無呼吸とは20秒以上の呼吸停止または20秒未満でも徐脈やチアノーゼを伴うものと定義されます。
通常、頻度は8時間当たり3~4回程度のものです。在胎週数と新生児の状態にもよりますが無呼吸の頻度は極端には増加することはありません。また、全身状態が良好でとくに無呼吸以外の症状がないのが特徴です。

新生児の無呼吸の判断

成熟児では、無呼吸がある場合には病的であることが多いので注意が必要です。
なんとなく元気がない、無呼吸発作からの回復に時間がかかる、無呼吸発作時のチアノーゼや徐脈の程度が強い、その他に尿量が減少する、血圧の低下がみられるなどの循環状態の悪化がみられる場合には、緊急を要することがあり注意が必要です。

新生児に無呼吸がある場合に行われる検査

新生児に無呼吸がみられた場合には以下のような検査が行われます。

  1. 胸部レントゲン…肺の状態、気胸などの確認
  2. 頭部超音波検査…頭蓋内出血、奇形、脳実質の病変、血流の低下などの有無
  3. 血液検査…電解質の異常、低血糖、感染症状、代謝性疾患などの鑑別

新生児無呼吸をきたす主な疾患

無呼吸がある場合は、全身状態と無呼吸の回数、程度などから病的かどうか判断されます。
新生児の無呼吸の発生頻度として多いものは、原発性無呼吸、新生児一過性無呼吸であるが、病的なものとしては、敗血症、髄膜炎、壊死性腸炎、頭蓋内出血、低酸素性虚血性脳症、晩期循環不全などがあります。

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