子宮復古不全
復古とは、妊娠や分娩によって生じた母体の変化がほぼ妊娠前の状態に復帰することをいいます。
子宮復古、すなわち子宮底が妊娠前の大きさに戻るには約6週間、子宮の重さが妊娠前に戻るのに約8週間、子宮内膜がもとの状態に戻るのには6~8週間を要します。
子宮復古不全とは、産褥期に種々の原因で子宮の収縮が不良となり、そのため子宮の復古(退縮)が障害された状態をいいます。
子宮復古不全の原因
宮復古不全の原因としては以下のようなものがあります。
- 多胎妊娠、羊水過多、巨大児などによる子宮筋の過伸展など。
- 分娩時における微弱陣痛、遷延分娩、難産、大量出血、早期産、帝王切開などによる子宮筋の疲労など。
- 胎盤や卵膜片の子宮内遺残に伴う子宮収縮障害など。
- 子宮筋腫、悪露停滞、子宮内感染など。
- 合併症としては、妊娠高血圧症候群、強度の貧血、低栄養状態長期の安静、全身状態の不良など。
- 子宮の形態的異常としては、子宮の奇形、子宮後屈、子宮筋腫など。
子宮復古不全の症状
子宮復古不全の代表的な症状としては、正常産褥日数に比べて子宮が大きい、子宮が軟らかく触れる、子宮底が高い、血性悪露が長く続き、悪露の量はなかかな減少しにくく、ときに大量出血することもあります。子宮内に残った胎盤片や卵膜片が排泄されることがあります。
悪露が長い時間停滞したまま放置しておくと感染を起こし、産褥熱を併発し、全身状態が悪化することもあります。
宮復古不全のアドバイス
子宮復古不全が起こると悪露の停滞し、感染を起こし、全身状態が悪化することもあります。子宮復古不全時のアドバイスを紹介。
- 排尿はがまんしないように注意しましょう。尿意が感じられない場合は時間ごとにトイレにいきましょう。ただし、安静の指示がある場合には指示に従いましょう。
- 排便を我慢せずに、便通を調整しましょう。排便が困難、便秘などのときには、医師に報告し、便秘薬を希望してください。
- 医師の許可があればできるだけ早期に歩行を開始しましょう。ふらつきや気分が悪い場合などは無理をしないよう。
- 医師の許可があれば早期から赤ちゃんにおっぱいを吸わせ直接授乳を開始し、吸綴刺激によって子宮収縮を促進しましょう。
- 医師の許可があれば、産褥体操を行いましょう。
- 十分な睡眠と栄養をとるよう心がけましょう。
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