産後の排尿障害
分娩時の児頭の下降により膀胱や尿道が圧迫され、知覚神経麻痺により一時的に尿閉や尿意の減弱などの排尿障害が起こることがあります。
産後の排尿障害の原因
産後の排尿障害の原因としては以下のようなものがあります。
- 分娩のとき赤ちゃんの頭などによる尿道括約筋や末梢神経の圧迫。
- 腹筋の弛緩によって腹圧の低下。
- 分娩時のいきみにより骨盤底筋群の弛緩。
- 分娩時の切開や裂傷などによる会陰、膣、子宮下部の損傷。
産後の排尿障害の症状
産後の排尿障害の症状としては以下のようなものがあります。
- 尿もれ(腹圧性尿失禁)
- 尿意を感じない
- 尿が出ない
- 残尿
- 排尿するまで時間がかかる
産後の排尿障害の経過
産後の排尿障害は分娩後24時間以内に起こりやすく、産後1週間で消失する場合が多いのが特徴です。
咳やくしゃみをしたとき、運動時、腹圧を加えたときに尿がもれるSUIは、産後1ヶ月以上持続する方が10%あります。なかには、数年経ってから発症する方もいます。
産後の排尿障害のアドバイス
産後の排尿障害のアドバイスとしては以下のようなものがあります。
- 多くの排尿障害は一過性で時間とともに回復します。
- ゆるんだ骨盤底筋群などが回復するまでは、重いものをもったり、長時間の立ち仕事などは避けましょう。
- 骨盤底トレーニングをおこないましょう。
- 排尿時は急がず、いきまないようリラックスして試みましょう。
- 排尿時に水の音などを聞くことで尿意、排尿を感じることがあります。
- 尿もれがある場合は、ナプキンなどを使用し清潔に心がけましょう。
- 便秘があれば医師に相談しましょう。
産後の排尿障害に注意
便秘や体重の増加との相関関係が認められています。妊娠前、妊娠中から気をつけましょう。
症状がある場合、入院中、産後健診時に相談しましょう。
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