妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
スポンサーリンク

会陰切開

会陰とは膣口(膣の出口)後ろ側、肛門との間のわずか数センチの狭い場所のことをいいます。

会陰切開の必要性

膣口は普通はかたく閉じているのですが、分娩が始まるとホルモンのはたらきで赤ちゃんが出てこれるように会陰は柔らかく、伸びるようになってきます。
分娩がすすんで陣痛の発作時に赤ちゃんの頭(臀部)が膣口から見え隠れするようになってきます。
さらに分娩がすすむと陣痛がおさまっても赤ちゃんの頭(臀部)が見えている状態になります。
このとき、膣口は赤ちゃんの頭(臀部)で押し広げられ、会陰は薄く膜のように引き伸ばされます。
このまま会陰がうまく伸び、赤ちゃんが通れるだけ広がってくれる場合は切開を行なう必要はなく、そのために助産婦は会陰保護を行ないます。
しかし、赤ちゃんが通り抜けるだけ十分に柔らかく伸びないと切れてしまい、会陰裂傷や膣壁裂傷、頚管裂傷などを起こすこととなります。
さらに、この時期になると赤ちゃんに酸素供給が十分におこなえず苦しくなっていますのでできるだけ早く赤ちゃんを出してあげる必要があります。
裂傷予防と赤ちゃんのすみやかな娩出のために初産婦さんのほとんどに会陰切開がおこなわれています。

会陰切開の方法

会陰切開をおこなう時期は会陰が薄く膜のように伸びた時期で産婦さんがいきみ、会陰が最大限に引き伸ばされた瞬間が切開を入れるタイミングです。
麻酔の有無に関しては状況や病院によっても違いますが、陣痛がピークに達していますから麻酔を使わなくてもそれほど痛みを感じることはありません。
切開は赤ちゃんを傷つけないために先が丸くなった医療用はさみでおこなわれます。
会陰切開の方法は、以下のの3つがあり、切開を入れる長さは伸びきった会陰を2~3㎝程度を切開します。

【正中切開】
膣口から肛門に向って真っ直ぐ切開をおこなう方法です。
【正中側切開】
膣口の真下から斜めに切開をおこなう方法です。
【側切開】
膣口の真下からやや恥骨部よりに切開をおこなう方法です。

会陰切開の縫合と抜糸

胎盤が出てしまい、分娩による異常がないか診察がおこなわれたあと縫合がおこなわれます。
赤ちゃんによって引き伸ばされた会陰も分娩が終わるともとの状態に近い厚さになっていますから切開の傷も小さくなっています。
縫合は抜糸の必要のないとける糸でおこなうところが多いようですが、なかには内側はとける糸で縫合し、外側を抜糸の必要の糸で縫合する病院もあり、抜糸は退院の前日におこなわれます。
会陰切開ははさみによって直線的に切開されていますから傷はきれいで産後健診の時にはほとんど目立たなくなっています。
分娩後しばらくは痛みを感じますが、痛みが強い時にはがまんせずに伝えましょう。

スポンサーリンク