骨盤位
骨盤位は、臀部あるいは足部が先進する縦位を骨盤位といいます。
全妊娠では3~4%で、経産婦に多い傾向にあります。
妊娠初期に骨盤位であっても妊娠週数が進むにつれて頭位となるケースが多くなります。
骨盤位の原因
骨盤位の原因としては以下のようなものがあります。
- 【子宮腔の異常】
- 子宮奇形、子宮筋腫の合併、前置胎盤など。
- 【胎児の異常】
- 水痘症、無脳児、未熟児など。
- 【その他】
- 羊水過多、頻産婦、狭骨盤、巨大児、死胎児など。
骨盤位の種類
骨盤位は以下のように分類することができます。
- 【殿位】
- 胎児の臀部が先進するもので骨盤位の約75%を占めます。
- 【膝位】
- 胎児の膝部が先進するもので骨盤位の約1%を占めます。
- 【足位】
- 胎児の足部が先進するもので骨盤位の24%を占めます。
骨盤位の診断
骨盤位を診断するためには以下のようなことが行われます。
- 外診
- 内診
- 超音波検査など。
骨盤位の影響
骨盤位は以下のような影響を与えます。
- 分娩が開始しても陣痛が不規則で発作が短く、頚管開大が遅延や微弱陣痛になります。児の死亡率は頭位に比べてはるかに高く5~8%といわれています。
- 前期破水・早期破水
- 臍帯脱出
- 児の損傷
- 頚管裂傷・会陰裂傷
骨盤位の処置
骨盤位に対しては以下のような処置が行われます。
妊娠期末期
- 骨盤位の矯正のため膝胸位
- 外回転術
分娩期
- 破水を防ぐために安静や腹部に力を入れる動作を避けるよう指導が行われます。
- 帝王切開の可能性があります。
骨盤位の管理
骨盤位は以下のような管理が行われます。
- 妊娠30~35週までは胎児の自然回転を期待し、膝胸位などをおこないます。
- 妊娠35週を過ぎたら、これに加えて外回転術が試みられることがあります。
- 妊娠36週になっても骨盤意の場合は、経膣分娩か帝王切開か決められます。
- いつでも帝王切開が可能なよう万全を期されます。
スポンサーリンク