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仰臥位低血圧症候群

仰臥位低血圧症候群(SHS)とは、仰臥位をとると増大した子宮が下大静脈を圧迫し、心臓への静脈還流量が減少し、心拍出量の減少と血圧の急激な低下などがみられる症候群をいいます。多くの場合、妊娠後期の妊婦が帝王切開の準備のため腰椎麻酔をおこなった後に生じやすい。

仰臥位低血圧症候群の発生機序

妊娠後期になると子宮が増大し、母体が仰臥位(仰向け)になると子宮が下大静脈を圧迫して右心への静脈還流量が減少します。このことにより心拍出量が低下し、血圧が低下する病態を仰臥位低血圧症候群といいます。
腹大動脈は下大静脈に比べて平滑筋や弾性線維に富むため、比較的圧迫の影響を受けにくいとされています。

仰臥位低血圧症候群の症状

仰臥位低血圧症候群の症状には以下のようなものがあります。

仰臥位低血圧症候群の軽症状

  • 血圧低下により顔面蒼白となる。
  • 血圧低下によりめまいがおこる。
  • 血圧低下により悪心・おう吐がおこる。
  • 血圧低下により冷汗がみられる。
  • 血圧低下により呼吸困難となることがある。

仰臥位低血圧症候群の重症

  • 呼吸困難の悪化をきたす。
  • 意識レベルの低下をきたす。
  • 脈拍触知不能となる。
  • けいれんをおこす。
  • ショック状態に陥る。
  • 胎児の低酸素症を引き起こす危険性がある。

仰臥位低血圧症候群の発症時の対処法

仰臥位低血圧症候群の症状がみられた場合には、下大静脈への圧迫を軽減するために母体を左側臥位をとらせる。さらに子宮を左方へ、頭側へ向けて挙上させます。
左側臥位に体位をかえても症状が改善されず血圧低下が継続する場合は、他の原因を考える必要があります。

仰臥位低血圧症候群の予防

妊娠が末期になり子宮が大きく、重くなることで仰臥位低血圧症候群が起こります。
お昼寝や就寝時に起こることもありますので左側臥位で休むようにしましょう。左側臥位が無理な場合は、クッションやバスタオルなどを背かなに入れてやや左側臥位をとったり、抱き枕を使用すると楽な体位をとることができます。
自宅で過ごしていて仰臥位低血圧症候群のような症状がみられた場合は、受診時に助産師や看護師、医師に伝えましょう。

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