子宮内反症
子宮内反症とは、分娩を契機に子宮体部が反転(裏返る)ものをいいます。
子宮内反症の発生頻度
子宮内反症の発生頻度は、分娩8000~10000に1例程度と少ない。
子宮内反症の原因
子宮内反症の原因には以下のようなものがあります。
自然発生
- 子宮筋の弛緩:羊水過多、多胎妊娠、多産婦など。
- 急速に進行した分娩:墜落産など。
- 癒着胎盤など。
- 過短臍帯など。
- 咳や嘔吐などの急激な腹圧の上昇など。
外力による発生
- 胎盤用手剥離など。
- 臍帯の過度の牽引など。
- 胎盤圧出法など。
子宮内反症の分類
子宮内反症は内反の程度によって3つに分類されます。
- 【子宮陥凹】
- 子宮底が反転するが、子宮腔内にとどまっている。
- 【不全子宮内反症】
- 反転した子宮底が外子宮口までおよぶもの。
- 【全子宮内反症】
- 反転した子宮底が外子宮口を超えて、膣内に脱出している。
子宮内反症の症状
子宮内反症の症状には以下のようなものがあります。
全身症状
ショック症状
局所症状
腹膜の牽引→腹部の激痛→神経性ショック
内反子宮のうっ血・胎盤剥離面からの出血→大出血→出血性ショック
急性期を過ぎれば内反面に潰瘍、壊疽を生じやすく、敗血症性感染も生じることがあります。
子宮内反症の治療
子宮内反症の治療には以下のようなものがあります。
- 多量出血を伴うため出血に対する治療と内反した子宮の征服を並行して行われます。
- 子宮の整復には、用手的整復と手術的整復があり、必要に応じて子宮収縮抑制薬が投与されます。
- 整復は、子宮収縮促進のため子宮収縮促進薬が投与されます。
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