子宮頚管裂傷
子宮頚管裂傷とは、子宮膣部から子宮頚部におよぶ裂傷で分娩直後の大出血の原因の一つで分娩時に左右の側壁(3時と9時方向)に発生することが多く、裂傷のほとんどの場合縦走します。
子宮頚管裂傷の発症頻度
子宮頚管裂傷の発症頻度は、高年初産婦に多く、全分娩の約1%におこります。
子宮頚管裂傷の原因
- 子宮口全開大前の頚管の急激な開大…墜落産、適応を誤った急速遂娩法など。
- 子宮口全開大後の頚管の過伸展…巨大児、反屈位など。
- 子宮頚管の伸展性の異常…過去の分娩による瘢痕、子宮頚管縫縮術、円錐切除法などの既往など。
子宮頚管裂傷の症状
子宮頚管裂傷の症状には以下のようなものがあります。
- 子宮頚管裂傷部の血管損傷により出血を起こし、その結果として貧血とショック症状を呈する。
- 子宮収縮が良好であるにもかかわらず分娩後に鮮紅色の出血が続く、この点が弛緩出血との鑑別となります。
子宮頚管裂傷の診断
子宮頚管裂傷が疑われた場合は直ちに内診にて子宮頚管の全周を輪状に蝕知しながら裂傷がないか調べます。
子宮頚管裂傷の治療
子宮頚管裂傷の治療法には以下のようなものがあります。
- ショック症状を呈する場合は、抗ショック療法(輸液、輸血など)。
- 子宮頚管の損傷部位に対しては、頚管裂傷縫合術が行われます。
- 裂傷が深部に達し縫合困難な場合には、開腹手術が行われます。
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