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弛緩出血

分娩第3期あるいは胎盤娩出直後に子宮筋の収縮不全により止血機序が障害されて起こる異常出血(500ml以上)を弛緩出血といいます。

弛緩出血の原因

弛緩出血の原因には以下のようなものがあります。

  • 子宮壁の過伸展…多胎、羊水過多、巨大児など。
  • 子宮筋の疲労…微弱陣痛、急速分娩、遷延分娩、不適切な陣痛促進など。
  • 全身性の原因…虚弱体質、心疾患、腎疾患、貧血など。
  • その他…頻産婦、膀胱や直腸の充満、凝血や胎盤、卵膜の遺残、子宮の奇形、瘢痕、筋腫、感染など。

弛緩出血の症状

弛緩出血の症状としては以下のようなものがあります。

  • 出血…胎盤娩出後に発作性に出る暗赤色の外出血がみられる。
  • 子宮収縮不全…子宮筋は弛緩していて軟らかく、血液が貯留すると子宮底は上昇する。
  • 急性貧血から出血性ショック…顔面蒼白、脱力、あくび、めまい、吐気、嘔吐、口渇、胸内苦悶、呼吸促進、頻脈、冷汗、血圧下降など、重症になると意識障害がみられます。

弛緩出血の診断

弛緩出血の診断には以下のようなものが参考になります。

  • 産道損傷の確認。
  • DICが合併してないことを確認。
  • 破裂がないことを確認。
  • 子宮が軟らかいことを確認。
  • 出血した血液の色は暗赤色で、波状的に出血する。

弛緩出血の治療

弛緩出血の治療法には以下のようなものがあります。

  • 子宮底輪状マッサージ法…導尿後に手掌で子宮底を輪状に摩擦し子宮の収縮を促進する方法。
  • 子宮双合圧迫法…膣内に入れた手と腹壁上の手の間に子宮を挟んで圧迫する方法。
  • 強膣タンポン法…子宮腔および膣内を滅菌ガーゼで硬く充填する方法。
  • 冷罨法…下腹壁上に氷嚢を置き、冷刺激により収縮を促す方法。
  • 薬物療法。
  • 外科的治療…諸方を試みても効果がない場合には、子宮全摘出術が行われます。
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