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狭骨盤

狭骨盤とは骨盤が狭いため、分娩の進行を妨げるものをいいます。

狭骨盤の種類

狭骨盤の種類は以下のように分けられます。

  • 全平等狭骨盤:骨盤の前後径、横径、斜径が平等に短縮している。
  • 扁平狭骨盤:骨盤の前後径だけが短縮している。
  • 横狭骨盤:横径が短縮し、前後径よりも小さいもの。
  • 斜狭骨盤:左右の斜径の長さが異なり、その一つが短縮しているもの。
  • 不正骨盤:それぞれの経が不平等に短縮しているもの。

狭骨盤の原因

狭骨盤の原因としては以下のようなものがあげられます。

  • 先天的原因…低身長で骨格が小さい人、奇形、先天性股関節脱臼など。
  • 句点的原因…発育期における骨盤、下肢、脊柱などの骨や関節の感染症、腫瘍、骨折、脱臼など。

狭骨盤の影響

狭骨盤の影響としては以下のようなものがあります。

妊娠期

妊娠期においては以下のような影響を及ぼします。

  • 児頭が骨盤に肯定せず、浮遊移動児頭となり、前期破水を起こすことが多い。
  • 腹壁の緊張する初産婦では尖腹、弛緩している経産婦では懸垂腹になることがあります。
  • 胎位の異常など。

分娩期

  • 児頭が骨盤内に固定しないため早期破水や微弱陣痛が起こりやすく、分娩が遷延することになります。
  • 破水がおこれば、臍帯・胎児の四肢の下垂、脱出が起こり、胎児機能不全や胎児死亡にいたることがります。
  • 横位、足位などの胎位異常、胎勢・回旋の異常も起こりやすい。
  • 過強陣痛や時に痙攣陣痛となることもあります。
  • 疲労性微弱陣痛に移行することもあります。

狭骨盤の診断

狭骨盤の診断としては以下のような方法があります。

  • 腹部の触診などの外診(ザイツ法)。
  • レントゲンによる骨盤計測(グースマン法、マルチウス法)。

狭骨盤の経過

レントゲンによる骨盤計測法で、マルチウス法やグースマン法があります。胎児への被爆を考慮し必要最小限の被爆ですむように行われます。

超音波診断法

狭骨盤は以下の経過となります。

  • 分娩前に児頭骨盤不均衡が明らかな場合は帝王切開が行われます。
  • 分娩前に確定診断ができない場合は、試験分娩が行われます。
  • 試験分娩の結果、分娩遷延・分娩停止や胎児機能不全などがあれば帝王切開が行われます。
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