妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
スポンサーリンク

卵子・卵巣の老化を引き起こす因子

卵子は加齢とともに老化し、卵巣も加齢とともに機能が低下するといわれています。
卵子や卵素の老化に関与する因子として、女性ホルモンであるエストロゲンの減少、成長ホルモンの減少、DHEAの減少、メラトニンの減少などが考えれています。
また、老化の因子として注目を集めているのが活性酸素や糖化などがあります。
成長ホルモンやDHEA、メラトニンが減少し、酸化ストレスや終末糖化産物が増加すると、卵巣刺激への反応や卵子の質が低下し、卵巣の機能が低下することで採卵数や受精率、妊娠率が低くなることが分かっています。

卵子・卵巣の老化とエストロゲンの減少

エストロゲンは20代をピークに30代から減少をはじめます。
エストロゲンが減少する理由は、加齢にともなて卵巣の機能が低下し、さらに。若い頃は脳の指令に従って、どんどんエストロゲンを送りだしていた卵巣ですが、早い方では30代中盤を境に、その機能が減少しはじめます。
加齢に伴い卵胞の数は減少し、卵巣の大きさも縮小し、索状の組織に変化し、卵巣の機能が低下します。卵巣機能の低下にともなってエストロゲンの産生、分泌も減少します。
さらに、卵巣が老化すると、視床下部から性腺刺激ホルモンの分泌の指示が出され、脳下垂体も性腺刺激ホルモンを分泌して、卵巣にエストロゲンの分泌を促しているのに、卵胞刺激ホルモン(FSH)および黄体形成ホルモン(LH)への反応が低下し、排卵が少なくなり、プロゲステロン産生量が減少し、最終的には卵胞が反応しなくなり、排卵が行われなくなります。

卵子・卵巣の老化と成長ホルモンの減少

成長ホルモンは、主に肝臓・骨・筋肉・性腺で蛋白合成を促進するはたらきのほか、糖代謝・脂質代謝に影響を与えています。
成長ホルモンは肝臓のIGF産生促進により、卵巣におけるエストロゲンの産生、卵胞発育促進、FSHに対する卵巣の反応を強化する作用があるといわれています。
成長ホルモンの分泌量は、15~20歳をピークにその後、減少し40歳の頃には20歳の40%まで減少するといわれています。
成長ホルモンの減少は、卵胞発育やエストロゲンの産生などの卵巣機能低下に関与していると考えられています。

卵子・卵巣の老化とデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)の減少

デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)は副腎皮質でコレステロー ルから生成される天然ステロイドホルモンであるエストラジオールとテストステロンの前駆体で、20歳代をピークに加齢と共に低下します。
DHEAは、老化との関連が最も注目され「若返りホルモン」として知られており、最近は不妊治療における有用性も医学論文で報告され、国内の医療機関でも不妊治療として導入しているところもあります。

卵子・卵巣の老化とメラトニンの減少

メラトニンは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、主なはたらきは体内時計の調節で、近年、強力な抗酸化作用を持つことが報告され、メラトニンが卵巣内に発生する活性酸素から卵を保護し、不妊症治療に応用することにより受精率を向上させたという報告もあります。

卵子・卵巣の老化と酸化ストレス

生物は生命を維持するために酸素を活用し、その結果、酸素よりも化学反応しやすい活性酸素が発生します。活性酸素は細胞内での情報伝達や代謝の調節、免疫などの生理的機能を担っていると同時に、活性酸素は周囲の細胞の分子を酸化させ、さまざまな疾患の原因のひとつとなっており、活性酸素などによっておこるダメージを酸化ストレスといいます。
生物には活性酸素をなどの酸化ストレスに対抗する抗酸化作用が備わっており、酸化ストレスと抗酸化作用のバランスが保たれ健康が維持されています。
しかし、年齢とともに抗酸化反応のバランスが崩れ、酸化状態に傾き、生体が酸化的障害を起こし、機能が低下します。この状態は他の臓器と同じく卵巣でも起きます。

卵子・卵巣の老化と終末糖化産物(AGE)

終末糖化産物(AGE)とは、タンパク質と糖が加熱(糖化反応)されて生成された強い毒性を持った物質です。
AGEは、活性酸素と同様に老化の原因物質の一つとされ、卵巣機能障害の原因となっていることがわかっています。

スポンサーリンク