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染色体異常

染色体は生物を構成する細胞の核の中にあり、遺伝子の集合体として親から子供へ伝える運び屋(遺伝子の入れ物)の役割を果たしています。染色体の名前は、色素でよく染色することができることから染色体と呼ばれるようになりました。
人間の細胞それぞれには22対の常染色体と1対の性染色体が含まれ、全部で46本の染色体が存在します。染色体異常とは、設計図に大きな変化が起こることを意味しています。

染色体異常の分類

染色体異常は、大きく2つに分けることができます。ひとつは通常は46本である染色体の数が増えたり減ったりする数の異常(数的異常)で、もうひとつは染色体の形が変わる形の異常(構造異常)で流産の染色体異常のほとんどは数的異常です。

数的異常

染色体異常の1つである数的異常には、異数性、倍数性、モザイクの3つに分けることができます。
異数性とは、ヒトの染色体数は通常46本(2n=46)ですが、染色体数的異常は、22種類の常染色体と2種類の性染色体のどれかが一つ以上増減するものをいい、ダウン症候群(21トリソミー)や18トリソミーは染色体の数の変化に該当します。
倍数性とは、精子とか卵子(配偶子)の基本セットの染色体23本の3セット以上をもつ異常で、3倍体(染色体数69本)や4倍体(染色体数92本)があります。これらは通常自然流産してしまいます。
モザイクとは、2上の染色体構成の異なる細胞が同一個体に混在する状態をモザイクといいます。受精後の体細胞分裂の異常で起こると考えられます。

構造的異常

構造的異常には、欠失、相互転座、、逆位などさまざまなパターンがあります。
これらの構造的異常は、染色体が量的には正常と変わらない「均衡型」と、不均衡型は染色体の一部が増減している「不均衡型」に分類されます。
欠失とは、染色体の一部が欠落しているものをいい、欠失している部分に関してはモノソミーとなります。
重複とは、染色体の一部が重複しているもので、重複部分に関してはトリソミーとなります。
相互転座とは、複数の染色体に切断が生じ、断片を交換したものを相互転座といいます。
ロバートソン転座とは、ロバートソン転座とは、2本の端部着糸型染色体(13、14、15、21、22番染色体)の動原体付近で切断が起こり、2本の長腕同士が結合して1本の染色体を形成し、短腕部分が欠落しています。
逆位とは、染色体の2か所で切断が発生し、その配列の順序が反対になっているものを逆位といいます。

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