妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
スポンサーリンク

生殖補助医療(ART)とは

生殖補助医療(Assisted Reproductive Technology:ART)とは、卵子と精子を体外で受精させる医療の総称で、高度生殖医療、生殖補助技術などと呼ばれることもあります。
生殖補助医療には、体外受精-胚移植(IVF-ET)、顕微授精(CSI)の他に、接合子卵管内移植(ZIFT)、および卵管内配偶子移植(GIFT)の4つがあります。
さらに、それに加えて医療技術として、胚の凍結、アシステッドハッチング、着床前診断などが含まれます。

  • 体外受精・胚移植(IVF-ET):受精した卵子を子宮内に移植すること。
  • 配偶子卵管内移植(GIFT):卵子と精子を一緒に卵管内へ戻すこと。
  • 接合体卵子管内移植(ZIFT):卵子を採取し培養液の中で精子を加えた受精する経過中の卵子を卵管内へ移植すること。
  • 管受精卵移植(TET):受精した卵子を卵管内に移植すること。

生殖補助医療(ART)の歴史

1978年にイギリスではじめて試験管ベビーと呼ばれた体外受精・胚移植が成功して以来、相次いで体外受精、胚移植の技術の改善や関連した技術が次々に開発され、不妊症の治療法は飛躍的に発展し臨床に応用されています。
日本では、1982年から体外受精・胚移植が臨床に応用され1983年に日本初の子どもが誕生しています。

不妊治療者の調査

日本において、1949年に初めて慶應義塾大学病院で、第三者からの精子提供による人工授精(非配偶者間人工授精)による出生が報告されて以来、この技術を用いて一万人以上が出生しているといわれています。
1999年には、矢内原巧・昭和大学教授らによって、不妊治療者の大規模な調査が行われ、厚生科学研究費補助金厚生科学特別研究報告書「生殖補助医療技術に対する医師及び国民の意識に関する研究」が出されました。
その推計によると、不妊治療を受けている患者は、284,800人(排卵誘発剤の使用:165,500人、人工授精:35,500人、体外受精:17,700人、顕微受精:14,500人、その他:51,600人)である。日本産科婦人科学会の報告では、1998年中の生殖補助医療による出生児数は、11,119人であり、1988年から2000年にかけて、47,591人が誕生したとされています。

生殖補助医療(ART)制度

昭和58年の日本における最初の体外受精による出生児の報告、平成4年の最初の顕微授精による出生児の報告など生殖補助医療技術の進歩は著しく、不妊症のために子を持つことができない人々が子を持てる可能性が拡がってきており、生殖補助医療は着実に広まっています。
不妊症のため子をもつことのできない夫婦のため、わが国では1948年からドナー精子を用いた人工授精(AID)が行われてきました。また近年では、生殖補助医療技術の進歩により、世界的に、第三者の卵子提供による生殖医療が盛んに行われるようになっています。
一方、「精子・卵子提供による生殖医療」により出生した子の福祉も重要な問題であり、民法上の「親子関係規定」や子の「出自を知る権利」が大きな注目を浴びています。

スポンサーリンク