妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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排卵障害不妊症の治療の流れ

排卵障害に対する治療をWHOのグループ分類に沿った方法があります。

グループⅠの不妊治療の流れ

グループⅠは、視床下部-下垂体機能不全で、視床下部性無月経や低ゴナドトロピン性性機能低下、性腺機能不全症が含まれます。エストロゲン産生を認めず、卵胞刺激ホルモン(FSH)は正常またはやや低下、プロラクチン(PRL)は正常、視床下部および下垂体に病変を認めないものをいいます。
グループⅠでは、体重減少(BMI<19)や過剰な運動に起因する場合は、体重の増加、適正な運動の指導がおこなわれます。
排卵誘発はゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の投与または、LHを含んだゴナドトロピン療法が第一選択薬です。
これらの治療効果が期待できない場合には、体外受精、顕微授精が選択されます。

グループⅡの不妊治療の流れ

グループⅡは、視床下部-下垂体-卵巣系の機能不全で、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や高プロラクチン血症が含まれます。
グループⅡでは、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が大部分を占めるため、肥満症例では体重減少を第一とし、排卵誘発の第一選択薬はクエン酸クロミフェン(CC)です。クエン酸クロミフェン(CC)抵抗性の場合はメトホルミン併用またはゴナドトロピン療法や腹腔鏡下卵巣多孔術が選択されます。
高プロラクチン血症を伴う場合は、ドパミンアゴニストが使用されますが、下垂体のプロラクチノーマでは手術適応となる場合もあります。
これらの治療効果が期待できない場合には、体外受精、顕微授精が選択されます。

グループⅢの不妊治療の流れ

グループⅢは、卵巣機能不全による低ゴナドトロピン性性機能低下、性腺機能不全症が含まれます。
グループⅢの早発卵巣不全(POI)ではエストロゲンやゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)、アゴニスト併用高用量ゴナドトロピン治療が適応となりますが、多くが抵抗性を示します。
これらの治療効果が期待できない場合には、体外受精、顕微授精が選択されます。

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