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甲状腺ホルモン検査

甲状腺は、喉のところにある蝶の羽を広げたような形をした器官で成人男性で約19g、女性で16gほどしかありません。
甲状腺からは、主にT3(トリヨードサイロニン)とT4(サイロキシン)の2種類の甲状腺ホルモンが分泌され、T3は血中では大部分が蛋白と結合した型で存在し、一部は遊離した型で存在し、遊離型をフリーT3(FT3)、フリーT4(FT4)と呼びます。

甲状腺ホルモンのはたらき

甲状腺ホルモンT3、T4は、成長を促進させる作用、体温産生、心拍数や心臓の収縮を増加させ血圧を上げる働き、蛋白合成の促進、ブドウ糖の酸化(熱産生)の促進、脂肪の合成と分解の促進など、物質の代謝にも深く関わっています。

甲状腺刺激ホルモン(TSH)とは

甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、脳下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモンで甲状腺ホルモン(T3、T4)の生産を調整する働きをしています。

甲状腺ホルモンの調節

甲状腺ホルモンの産生は脳下垂体から出る甲状腺刺激ホルモンにより調節されています。
脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモンは甲状腺上皮細胞のTSH受容体に結合し、甲状腺ホルモン(T3・T4)の合成・分泌を促します。
甲状腺刺激ホルモンはさらに上位の視床下部から分泌されるTSH放出ホルモン(TRH)によって調節されています。
T3、T4が増加するとTSH放出ホルモン、甲状腺刺激ホルモンが減少し、逆にT3、T4が減少するとTSH放出ホルモン、甲状腺刺激ホルモンが増加するといういわゆるネガティブフィードバック機構により、甲状腺機能は一定に調節されます。

甲状腺ホルモンの検査の目的

甲状腺ホルモンの検査は、ほとんどの場合血液中のFT3、FT4 、TSHを測定し、甲状腺機能の評価を行います。
甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症などの甲状腺機能異常を疑う時や甲状腺疾患の治療判定や経過観察の場合におこなわれます。

甲状腺ホルモンの成人の基準値(ng/mL)

  • T3:0.80~1.60
  • T4:6.10~12.4
  • FT3:2.30~4.30
  • FT4:0.90~1.70

甲状腺ホルモンの異常を示す場合

T3(トリヨードサイロニン)の異常

T3が高値を示す場合には、バセドウ病、プランマー病、ホルモン不応症、甲状腺機能亢進症、、TBG加症、亜急性甲状腺炎(初期)などが歌われます。
T3が低値を示す場合には、下垂体腫瘍、甲状腺機能低下症、シーハン症候群、クレチン症、TBG減少症、慢性甲状腺炎、重症消耗性疾患などが歌われます。

T4(サイロキシン)の異常

T4が高値を示す場合には、繊毛性疾患の一部、TBG増加症、やせ薬服用時、バセドウ病、プランマー病、ホルモン不応症、亜急性甲状腺炎(初期)、甲状腺機能亢進症、TSH産生腫瘍、経口避妊薬服用などが歌われます。
T4が低値を示す場合には、TBG減少症、慢性甲状腺炎、重症消耗性疾患、甲状腺機能低下症、下垂体腫瘍、ヨード欠乏、T3補充療法、クレチン症、シーハン症候群などが歌われます。

FT3(遊離トリヨードサイロニン)の異常

FT3が高値を示す場合には、甲状腺機能亢進症などが疑われます。
FT3が低値を示す場合には、低T3症候群、甲状腺機能低下症などが疑われます。

FT4(遊離サイロキシン)の異常

FT4が高値を示す場合には、甲状腺機能亢進症、バセドウ病などが疑われます。
FT4が低値を示す場合には、T3補充療法、甲状腺機能低下症などが疑われます。

甲状腺刺激ホルモン(TSH)の異常を示す場合

甲状腺刺激ホルモンが低値を示す場合には、原発性甲状腺機能亢進症、中枢性甲状腺機能低下症、バセドウ病、亜急性・無痛性甲状腺炎の急性期などが疑われます。
甲状腺刺激ホルモンが高値を示す場合には、下垂体性TSH産生腫瘍、原発性甲状腺機能低下症、クレチン症、異所性TSH産生腫瘍、慢性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎などが疑われます。

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