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AMH(抗ミュラー管ホルモン)

AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、前胞状卵胞から胞状卵胞に存在する顆粒膜細胞から産生される因子であり、月経周期による影響を受けないことから卵巣予備能の指標として用いられています。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)とは

卵巣の中にある卵子は一つ一つ卵胞の中に存在します。
卵子は顆粒膜細胞に囲まれていてその外側を更に夾膜細胞に包まれ卵胞を形成します。
卵巣の中には色々はステージの卵胞が存在し、原始卵胞、一次卵胞、二次卵胞 、初期胞状卵胞、後期胞状卵胞、排卵前卵胞と成熟していきます。
AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、卵巣内にある一次卵胞から小胞状卵胞までの顆粒膜細胞から分泌されるホルモンです。
顆粒膜細胞とは卵子を取り囲んでいる細胞で卵胞の構成要素で、卵胞発育に関与しており、顆粒膜細胞が胞状卵胞へ形成されるとエストロゲンの総量が上昇します。
顆粒膜細胞は、老化によって卵の質の低下を招き、受精障害、すなわち不妊の原因となる可能性が指摘されています。
ミュラー管とは、胎生期のみに男女ともにみられる構造で尿生殖堤の外側部あたりの体腔上皮が陥入して生じる。女性では、卵子、子宮、膣上部に分化するが、男性では精巣から分泌される抗ミュラー管ホルモンのはたらきにより退縮します。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査の意義

AMHの値が高ければ卵巣内にある卵胞数が多いということになり、逆に低ければ卵巣内にある卵胞数が少ないということにつながります。
年齢が若ければ卵巣内にある卵胞数は多いのでAMHの値は高く、年齢を重ねるに従って卵胞数が減ることからAMHの値は低くなる傾向になり、このことから卵巣年齢の指標になります。
AMHの値は、前胞状卵胞の数を予測するもので、卵子の質を予測しているわけではありません。
すなわち、AMHの値が高く、前胞状卵胞の数が多いと予測されても卵子の質が良くなければ、妊娠は難しくなります。逆に、AMHの値が低くても卵子の質が良ければ、スムーズに妊娠することもあります。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査の方法

AMHの検査は、月経周期に左右されないため、測定時期に制限のない血液検査です。

AMHの基準値(mlU/mL)測定方法:CLIA

  • 50pM(7.00ng/ml)25~30歳
  • 40pM(5.60ng/ml)30~35歳
  • 20pM(2.80ng/ml)35~40歳
  • 10pM(1.40ng/ml)40~45歳
  • 5pM(0.70ng/ml)45~50歳

AMH(抗ミュラー管ホルモン)の異常を示す場合

高値

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ではAMHが高い傾向となります 。

低値

早発卵巣不全などではAMHが極端に低下します。
ただ、AMHが低値でも排卵が起こっていることも珍しくありません。

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