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超音波卵胞計測

超音波卵胞計測は、経腟プローブという超音波検査器具を腟内に挿入し、卵胞の径を測定することで排卵時期に予測ができる検査です。
また、卵胞の成熟状態・排卵の有無・子宮内膜の厚さなどを観察することでE2の分泌、作用を確認することができます。
卵胞発育のモニタリングは、排卵の予測だけでなく、体外受精での採卵を目的とした卵巣刺激中にも行われ薬剤投与や採卵のタイミングを決定するためにも用いられます。
排卵直前の卵胞径は約20㎜とされています。

卵胞像とは

卵巣は、下垂体から分泌されるゴナドトロピンの作用により卵胞発育、排卵、退行を周期的に繰り返しています。
卵胞発育と同時に子宮内膜像や頚管粘液像を観察することで排卵時期をかなり正確に予測することができます。
卵胞像は、内径を計測し、また、複数の卵胞が発育している場合には球形にならないので、最大径と最小径の平均を採ります。

卵胞計測の評価

卵胞は発育、排卵、退行を周期的に変化しています。

卵胞期初期の発育卵胞

月経周期の3日目の卵巣には直径2~5㎜の胞状卵胞が花冠状に観察されます。この卵胞初期の胞状卵胞が複数認められ、この胞状卵胞数(AFC)は卵巣の予備能の指標として用いられます。
卵胞期初期において大小不同の卵胞が存在することは好ましくなく、とくに径の大きい卵胞は前周期の遺残卵胞やGnRHアゴニストのフレアーアップ減少による機能性嚢胞の可能性があります。
卵胞数は、正常成人女性では加齢とともに減少し、PCOSでは数珠状に多数認められますが排卵誘発に反応して発育する卵胞数と相関し、排卵誘発効果を推測するのに有効です。

卵胞期後期の発育卵胞

月経周期8日目には卵胞径が10㎜に達する発育卵胞が確認されるようになります。
自然周期ではこの段階までに単一卵胞選択が終了していて複数の卵胞が観察される周期は5~11%であるのに対して、クロミフェン周期では30~60%、hMG周期では80%の周期で複数の発育卵胞が観察されます。
その後、自然周期では1日あたり約1.5~3㎜ずつ卵胞径が増大し、排卵前日には約22㎜に達します。
平均径18㎜以上の卵胞は成熟して排卵準備状態にあり、LHサージ時には20~22㎜に達します。
卵子が存在する卵丘が卵胞内に突出した小隆起として観察されることもあります。
一方、卵巣刺激周期の卵胞は自然周期より増加速度が大きく、排卵前日の卵胞径は自然周期と有意な差はないとされています。
また、自然周期よりもクロミッドやhMGなどによる刺激周期のほうが排卵時の卵胞径が大きいといわれています。

排卵

排卵の日時の予測はとても難しいため、検査中に卵胞の消失を確認できることもありますが、卵胞が卵巣内に残る場合もあり、排卵の確証を得ることは容易ではありません。
超音波の画像上、排卵を確定する根拠としては以下の所見があります。

  • 発育してきた卵胞の消失
  • 卵胞の虚脱による卵胞壁の肥厚や不整化
  • 卵胞の内部エコーの増強
  • 腹水(ダグラス窩の液体貯留像)の出現

黄体期

排卵後の卵胞は虚脱し、黄体は明瞭には確認できないか、変形した小嚢胞として観察されます。また、卵胞初期に観察される小卵胞はすべてこの時期に確認できます。

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