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尿中LH測定検査

尿中LH測定検査は尿中に排出されるホルモンを測定することにより排卵時期を推定する検査法で、最も凡用されている尿中バイオマーカーLHです。
毎回の採血による血液検査を避けることができます。

尿中LH測定検査の機序

LHサージは成熟した卵胞を刺激し、卵の成熟および排卵を誘導します。
LHサージの持続時間は約48時間とされ、ピークは約14時間持続します。LHサージの開始からは10~12時間で排卵がおこります。
LHは尿中に出現し、しかも血中LHサージから尿中LHサージまでの遅延は数時間であることを利用して尿中LH測定が排卵時間の推定に用いられています。

尿中LHの基準値

尿中LHが20mIU/mlを超えた場合は、LHサージの開始と推定できます。

尿中LH検出キットとは

尿中LHが20mIU/mlを超えた場合は、LHサージの開始と推定できます。
複数の簡便な尿中LH検出キットが市販されていますが、いずれも原理は抗LHモノクロール抗体を用いた免疫クロマトグラフによる半定量法で、一般にカットオフ値は40mIU/mlに設定されています。
検査の陽性は、LHのピークが生じたこと意味しますが、LHの下降期にも陽性を呈するため、問診により予測される月経発来時期の17日前から連日検査を開始し、キットの標線と同程度か、より強く発色し始めたときを陽性と判定します。検査陽性から2日以内に排卵が起こる確率は91.1%とされます。
ヒトによっては、LHのピークが遅延する場合があり、このようなときには排卵時期推定の精度が低下します。

排卵検査薬の判定ができない場合

排卵検査薬は、以下の方の場合には陽性となる可能性があります。

  • 妊娠している場合
  • 分娩後
  • 流産後
  • 閉経期の場合(成熟期以降の婦人のLH濃度は年齢とともに増加する傾向がある)
  • 人工妊娠中絶後
  • hCG産生腫瘍の場合
  • 異常妊娠の場合(胞状奇胎等)
  • 不妊治療の薬物療法時(hCG製剤等)
  • 内分泌障害の場合
  • 尿が過度に濃縮される等により尿中LH濃度が上昇した場合
  • 正しく操作が行われなかった場合

などの場合には正しい判定ができないことがあります。

排卵検査薬は、以下の方の場合には陰性となる可能性があります。

  • 月経周期が不規則な場合
  • 検査開始日を間違えた場
  • 分泌されるLHが低濃度あるいはLHサージが短時間で終了した場合
  • 大量の水分摂取等で尿中LH濃度が低下した場合

などの場合には正しい判定ができないことがあります。

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