妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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血中ホルモン検査(2)

不妊症の原因のうち排卵障害は約20%以上を占め、それにかかわるホルモン検査は重要な基本検査のひとつです。

プロラクチン(PRL)

プロラクチン(PRL)は、下垂体前葉から分泌され、乳汁分泌に関連するホルモンであるため乳腺刺激ホルモンともいわれます。
プロラクチン(PRL)受容体は、乳腺以外にも肝臓、子宮、卵巣などに分布し、プロラクチン(PRL)の作用も、黄体機能維持、子宮内膜増殖、水・電解質代謝など多彩です。
プロラクチン(PRL)値は、食事、運動、睡眠、ストレス、乳房刺激などによっても上昇し、月経周期では排卵期にやや上昇します。また、プロラクチン分泌には、日内変動があり、夜間や睡眠時に高値を示しめします。
プロラクチン(PRL)の基準値(単位:ng/ml)

  • 卵胞期:<15
  • 排卵期:<15
  • 黄体期:<15

テストステロン

テストステロンは男性ホルモンのひとつで女性も分泌されています。
女性の場合、25%が卵巣、25%が副腎、50%が脂肪や筋肉においてアンドロステンジオンなどから代謝されてできます。
卵巣性アンドロゲンとして血中総テストステロンが測定されることが多く、多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)が疑われる場合はテストステロンの測定は必須とされます。
テストステロンは排卵期に若干上昇傾向があるため、月経開始3日目くらいから7日目くらいまでに測定されます。また、血総遊離テストステロンの測定が行われることもあります。
テストステロンの基準値(単位:ng/ml)

  • 卵胞期:0.2~0.6
  • 排卵期:0.2~0.6
  • 黄体期:0.2~0.6

アンドロステジオン

アンドロステジオンは副腎皮質、精巣、卵巣で生成・分泌されるステロイドホルモンで、一部は末梢組織で生成されます。
アンドロステジオンは、アンドロゲンの作用がありますがその作用は弱く、テストステロンやエストロゲンの前駆体としての役目があります。
多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)のなかにはテストステロンが正常でもアンドロステジオンのみが高値を示す症例が少なくなく多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS)の高アンドロゲンのチェックにはアンドロステンジオンの測定も重要だとされます。
アンドロステジオンの基準値(単位:ng/ml)

  • 20~29歳:1.1~3.9
  • 30~39歳:0.9~3.5
  • 40~49歳:0.6~2.2

アンチミュラー管ホルモン(AMH)

アンチミュラー管ホルモン(AMH)は発育過程の卵胞から分泌されます。そのため卵巣予備機能を知るための指標として検査をします。
AMH値は、卵胞数を反映し、卵巣予備能のチェックに有用とされています。アンチミュラー管ホルモン(AMH)は月経周期に左右されないため、測定時期の制限はありません。PCOSでは高い傾向にあり、早発卵巣不全などでは極端に低下することがあります。ただし、AMH値が低値でも排卵が起こっていることもあります。
卵巣予備能の低下として、1.0ng/ml未満とする報告もあります。

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