妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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血中ホルモン検査(1)

不妊症の原因のうち排卵障害は約20%以上を占め、それにかかわるホルモンを調べることは最も重要な基本検査のひとつです。

エストラジオール(E2)

エストロゲン(卵胞ホルモン)とは、女性ホルモンのひとつで卵胞ホルモンとも呼ばれ、エストロゲンの分泌が多い時期を卵胞期といいます。
月経の終わり頃から排卵前にかけて分泌が多くなり、基礎体温は低温相を示します。
エストロゲンは、主に卵胞や黄体から分泌され、子宮の発育、子宮内膜の増殖、性腺刺激ホルモンの分泌の調整、頚管粘液の増加、膣粘膜上皮の増殖などの作用があるホルモンです。
エストロゲンには、エストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)が存在し、このうちエストラジオールが最も強い作用があります。
エストラジオール(E2)は、卵巣顆粒膜細胞から分泌され卵巣機能を直接判断するホルモンとして重要です。
一般的には、LHやFSHと同時に採血されることが多く、月経開始3日目から7日目以内の採血が標準です。
エストラジオールの極端な低値は卵巣機能低下を示しますが、逆に月経中でありながらエストラジオールが80pg/ml以上(月経3日目)を示すような場合は卵巣機能の低下を意味します。
エストラジオール(E2)の基準値(単位:pg/ml)

  • 卵胞期:20~40
  • 排卵期:150~400
  • 黄体期:100~300

プロゲステロン(黄体ホルモン)

プロゲステロン(黄体ホルモン)は、女性ホルモンのひとつで黄体ホルモンとも呼ばれ、プロゲステロンの分泌が多い時期を黄体期といいます。排卵後から次の月経にかけて分泌され、基礎体温は高温相を示すします。
排卵後、卵胞から変化した黄体から分泌され、子宮を妊娠の準備をするように変化させ、子宮内膜や子宮筋の働きを調整し、受精卵が着床しやすい状態に整え、妊娠した後は、その妊娠を継続させる役割もあります。体温上昇、血糖値の正常化、体脂肪を減少、利尿作用、他のホルモンのバランスの調整などにも関わっています。
プロゲステロンは黄体機能評価の基本であり、黄体期中期の正常値は10ng/ml以上とされることが多いのですが、1周期に複数回、あるいは2~3周期続けて測定することも提案されています。
プロゲステロンの基準値(単位:ng/ml)

  • 卵胞期:0.1~0.5
  • 排卵期:0.1~0.5
  • 黄体期:5.0~20.0

黄体形成ホルモン(LH)

黄体形成ホルモン(LH)とは、卵胞刺激ホルモン(FSH)とともに下垂体より分泌されるゴナドトロピンです。
黄体形成ホルモン(LH)は卵胞刺激ホルモン(FSH)との協同作用によって排卵の誘発や黄体を形成する働きがあります。また視床下部から分泌される黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)によって調節され、LHの測定は視床下部-下垂体-性腺系の内分泌調節機構を知る上で重要です。また排卵及びその後の黄体形成を促進します。
黄体ホルモン(LH)の基準値(単位:mIU/ml)

  • 卵胞期:5~20
  • 排卵期:40~100
  • 黄体期:5~20

卵胞刺激ホルモン(FSH)

卵胞刺激ホルモン(FSH)は、下垂体前葉の性腺刺激ホルモン産生細胞で合成・分泌されるホルモンで、卵巣の卵胞へ作用してその発育を促しますが、卵胞刺激ホルモン(FSH)のみでは成熟卵胞は形成されず、黄体形成ホルモン(LH)と協同してはじめて成熟卵胞ができ、卵胞からの卵胞ホルモンの分泌も増加して排卵が起こります。
卵胞刺激ホルモン(FSH)の基準値(単位::mIU/ml)

  • 卵胞期:5~15
  • 排卵期:10~20
  • 黄体期:5~15
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