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高プロラクチン血症と不妊症

高プロラクチン血症とは、下垂体前葉からのプロラクチン分泌が過剰になった状態で下垂体腫瘍や視床下部機能障害、薬剤によるものが多く、20~30代の若い女性に多い疾患です。
この疾患は、間脳下垂体機能障害に含まれる公費負担の対象疾患(7疾患)のうちの1つです。

高プロラクチン血症の原因

高プロラクチン血症を来たす疾患は多くみられます。

プロラクチン産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ)

腺腫により自律性にプロラクチンの過剰分泌がおこる。成長ホルモン産生腫瘍がプロラクチンを分泌させることもあります。
全体の約35%を占めています。

視床下部機能障害

視床下部でのドパーミン産生が低下しプロラクチン分泌が増加します。
全体の約30%を占めています。

薬剤性

ドパーミン受容体遮断薬やドパーミン産生抑制薬などによるプロラクチンの過剰分泌が起こります。
全体の約9%を占めています。

原発性甲状腺機能低下

甲状腺ホルモンの低下により、視床下部からのTRH分泌が増加し、その刺激でプロラクチン(PRL)分泌が増加します。
全体の約5%を占めています。

高プロラクチン血症の症状

プロラクチン(PRL)の過剰により、乳汁漏出や性腺機能低下などの内分泌異常による症状が出現します。
性腺機能低下は、月経異常(軽症では黄体機能不全、重症では無月経)として現れ、不妊として自覚されることもあります。
プロラクチノーマの場合は、両耳側半盲や頭痛などの腫瘍による圧迫症状が認められることもあります。

高プロラクチン血症の診断

月経異常や乳汁漏出が見られ、高プロラクチン血症が疑われ場合には原因となる疾患の鑑別のために、問診(月経歴、妊娠の有無、服薬歴、頭痛の有無、視野狭窄の有無など)、プロラクチン値の測定、甲状腺機能検査(TSH、FT3、FT4)などのスクリーニングが行われます。
通常の採血でプロラクチン値が正常でも排卵障害や黄体機能不全など潜在性高プロラクチン血症が疑われる場合は、TRHテストという負荷テストがおこなわれます。
プロラクチンの値が100ng/ml以上の高い値を取る場合には、MRIがおこなわれ下垂体腫瘍の診断がおこなわれます。

高プロラクチン血症の治療

高プロラクチン血症の治療として、脳下垂体から出されるプロラクチンの分泌を抑える薬を使用します。
副作用が出る場合がありますから医師や薬剤師に説明・相談を受けて下さい。

高プロラクチン血症と不妊症

プロラクチン値が高いと、なぜ月経不順が起きるのかということについてはまだはっきりとはわかっていませんが、ホルモンの分泌に原因があるという説があります。
LH分泌をコントロールしているものに、下垂体より更に上のホルモン中枢である視床下部から分泌されるGn-RHというホルモンがあります。高PRL状態によって、このGn-RHの分泌が抑制されてLH分泌が低下し、排卵障害が起きるようになるという説です。

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