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子宮腔内癒着症と不妊症

子宮腔内癒着症とは、子宮内膜が炎症を起こし、子宮内膜基底細胞層に欠損が生じ、子宮内膜の組織同士が癒着を起こしてしまった状態にあることをいいます。
人工妊娠中絶、自然流産などに際して、過度の子宮内操作をおこなうと術後に子宮腔に癒着を生じることがるという病態を報告したイスラエルのアッシャーマン博士にちなんでアッシャーマン症候群といわれます。

子宮腔内癒着症の原因

子宮腔内癒着症の原因としては、子宮内膜掻爬や分娩操作、子宮鏡手術などの子宮内操作による外傷などがあります。
妊娠によって子宮は軟化しているので、子宮内膜は損傷を受けやすく、小さな外力が結果的に基底層に広汎な欠損をもたらし、その再生過程で瘢痕性癒着を残してしまいます。

子宮腔内癒着症の症状

子宮内腔癒着が起こると、過少月経、無月経(子宮性無月経)、月経困難症、流産、癒着胎盤などを引き起こすことがあります。
続発無月経は子宮内膜がホルモンに反応しなくなるため生じ(子宮性無月経)、エストロゲン、プロゲステロン負荷試験でも消退出血が起こりません。
月経困難症は、子宮内膜がホルモンに対して異常に反応したり、月経血がスムーズに排出できなかったりするために生じます。

子宮腔内癒着症の検査・診断

子宮腔内癒着症の診断には、子宮腔の観察が必要で、子宮鏡検査、子宮卵管造影検査(HSG)を行います。
また全身麻酔を使用して極小のカメラを挿入する、腹腔鏡検査や子宮鏡検査なども行います。

子宮腔内癒着症の治療

子宮腔内癒着症の治療としては、癒着剥離がおこなわれます。
癒着範囲が小さい場合では、子宮ゾンデによる剥離が可能ですが、広範囲の場合は、子宮鏡手術が必要となります。
癒着剥離後も再発を起こしやすいため、感染予防のために抗菌剤や一定期間子宮内にバルーンやIUDなどを使用します。また、子宮内膜の再生を促進するためにカウフマン療法が行われます。

子宮腔内癒着症の合併症

子宮腔内癒着症の合併症には、月経過多、無月経(子宮性無月経)、月経困難症、不妊症、不育症、癒着胎盤などがあります。

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