妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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子宮奇形と不妊症

子宮奇形は、一般女性の3.8~6.7%に認めるとされ、奇形の程度、形態、多くは無症状で経過します。
子宮は、胎児期の早い時期にミュラー管と呼ばれる子宮のもとになる器官が左右から癒合してできあがりますが、子宮奇形はミュラー管の発生する段階での癒合不全によって発生し、発達異常の程度によって軽度のものから重度のものまで限りなく多様に存在することになります。
先天性の子宮奇形が原因の流産は、妊娠初期に多く、不育症全体の12~16%に子宮奇形を認めるといわれています。

子宮奇形の種類

  1. 中隔子宮…外見上正常子宮で内腔に中隔があり左右にわかれている。
  2. 重複子宮…子宮が左右にわかれ膣中隔も伴っている。
  3. 双頚双角子宮…子宮が外見上も左右にわかれ、子宮口も左右別に存在する。
  4. 単頭双角子宮…子宮が外見上左右にわかれ角状に見え、子宮内腔は角状に形成され狭い。
  5. 単角子宮…細長い子宮が左右どちらかにのみ存在する。
  6. 副角子宮…単角子宮に伴い、他方が痕跡状の低形成。

子宮奇形の検査と診断

流早産を繰り返す症例は本症が疑われます。
非妊時に子宮卵管造影、超音波検査、MRI、子宮鏡、腹壁鏡などを組み合わせて診断します。
膣中隔や双頸子宮は視診、クスコー診で診断できますが、通常内診だけでの診断は難しい場合が多いようです。
非妊時に診断されていないものでは、妊娠初期には超音波検査で診断されることもありますが、子宮筋腫や卵管間質部妊娠などとの鑑別が必要となります。

子宮奇形の治療と管理

流早産に対する管理が最も大切です。
初期の流産を反復するものには、単角子宮、重複子宮を除き非妊時の子宮形成が有効となります。
また、早産の既往がある方には、厳重な切迫早産の管理を行い、定期的な胎児発育のチェックをおこなう必要があります。
分娩時は、頭位の場合は経膣分娩が可能で、分娩経過をみながら方針が決定されます。
骨盤位をはじめとする胎児の位置異常があれば、帝王切開がおこなわれます。
また、子宮形成術の既往があれば帝王切開の適応となります。

子宮奇形のと不妊症

子宮奇形が不妊治療の際に偶然発見されることがあります。
月経痛や性交痛などの症状がある場合が子宮の形によってある場合があります。
子宮奇形が不妊症の原因となるはっきりとした機序はわかっていませんが、子宮奇形の場合、形態異常とそれに伴う血流障害により受精卵の着床障害が原因と考えられています。

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