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子宮頚管粘液不全と不妊症

子宮頚管粘液不全とは、頚管粘液の分泌量が少ないものをいい、頸管粘液の分泌量が少なく粘稠度が高くないと精子が通過しにくく不妊の原因となります。
子宮頚管とは、膣と子宮腔を結ぶ子宮頸部のことで子宮は上部の3分の2が子宮体部、3分の1が子宮頸部です。
子宮頚管粘液は、頚管内膜上皮細胞から分泌され、卵胞ホルモンに反応して周期的に変化します。排卵直前のエストロゲン分泌量が最も多い時期に頚管粘液のエストロゲンによる変化は最も顕著となり、以下のような変化がみられます。

  1. 頚管粘液増加:0.3ml以上
  2. 粘稠度の低下
  3. 索糸性(水あめのように粘液が糸を引く様子)の増加、9㎝以上

子宮頚管粘液不全の原因

頚管粘液分泌不全の原因としては、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌障害があります。
卵胞ホルモン(エストロゲン)は頚管粘液の分泌を促すホルモンで、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌に異常がある場合に頚管粘液分泌不全となります。
排卵誘発剤のクエン酸クロミフェン製剤の長期使用や子宮頚管に炎症がある場合にも頚管粘液分泌不全となり不妊症となります。

子宮頚管粘液不全の検査

子宮頚管粘液不全の検査は、排卵日と予想される日の3~4日前から排卵直前までの間の頸管粘液の分泌量が増える排卵日の前日を予測して検査を行います。
検査方法は、子宮頚管粘液をツベルクリン用の注射器を使い子宮口付近の粘液を吸い取り、採取した粘液の量、透明度、粘り気(糸の引き具合)、含まれる細胞の数、特徴的な羊歯状結晶形成の程度を肉眼や顕微鏡で調べます。
子宮頚管粘液は月経周期のエストロゲン分泌レベルにより分泌量、索糸性、粘性、色調などの変化がみられ、評価されます。
排卵直前に急上昇するエストラジオールを反映し、頚管粘液量が0.3ml以上となり、水様透明で10㎝以上の索糸性を示します。また、NaClなどの電解質による特徴的な羊歯状結晶の形成がみられます。

子宮頚管粘液不全の治療

頚管粘液分泌不全の原因としては、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌障害がありますので、排卵前にエストロゲンを注射することにより、分泌を促すことができます。
また、クロミッドの服用による治療の副作用として、子宮警官粘液の減少があります。その場合は、クロミッドの投与を止め、クロミッドとhMGを併用に切り替えることになります。

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