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先天性膣欠損症と不妊症

膣の形態異常

先天性膣欠損症とは、先天的に膣の一部または全部が形成されなかったものをいいます。
膣欠損症には、膣の下部が欠損、膣と子宮がない、膣と子宮・卵管がないものなどさまざまです。

先天性膣欠損症の原因

先天性膣欠損症の原因は解明されていませが、胎児期にミューラー管下部の発生不全、部分的欠損、無形成などの発育障害に起因すると考えられています。
先天性膣欠損症の大部分を占めるのもにロキタンスキー・キュストナー・ハウザー症候群があります。

ロキタンスキー・キュストナー・ハウザー症候群

ロキタンスキー・キュストナー・ハウザー症候群とは、先天的に腟が欠損し、機能性子宮を持たない疾患で、ロキタンスキー症候群またはメイヤー・ロキタンスキー・キュスター・ハウザー症候群ともいいます。
ロキタンスキー・キュストナー・ハウザー症候群では卵巣と外陰は正常に発生しますが、先天的に子宮や膣の異常がさまざまな程度で見られます。
子宮は発育不良で痕跡状ですが卵管に異常はみられません。
性染色体は、正常のXXで、卵巣も正常で女性ホルモンも分泌され二次性徴は認められ、外陰も正常であるため思春期を向かえても初潮が発来しないことで初めて発見されることがほとんどです。
内分泌機能には問題がありませんが、原発性無月経です。ただし、子宮発育不全のためにに月経血が少なく、月経モリミナを訴えることはまれです。性交不能です。
治療は、性交を可能にするため膣造成術がおこなわれますが、子宮発育不全を伴う場合では自然妊娠は望めません
卵巣機能が正常の場合は、卵子を採取し、体外受精により受精卵を作ることは可能です。しかし、子宮発育不全がある場合は、受精卵を自分の子宮に戻すことは不可能で代理出産が方法が唯一の方法ですが日本では認められていません。

先天性膣欠損症の発症頻度

先天的膣欠損症の発症頻度は、5000人に1人の割合でおこるといわれています。

先天性膣欠損症の症状

先天的膣欠損症の症状は膣欠損の程度によって異なります。
膣欠損が一部で機能性子宮を持つ場合には、思春期以後に月経に伴って子宮や卵管への月経血の貯留を起こすため月経血をみないまま周期的な腹痛が出現する月経モリミナという症状が現れます。
機能性子宮を持たない疾全膣欠損の場合は、無月経で月経モリミナはみられません。
膣欠損症では性交渉は不可能です。

先天性膣欠損症の検査・診断

思春期になっても月経が発来しない、性交渉ができないなどで受診し、膣欠損症が疑われると診断のために内診、基礎体温、MRI検査、超音波断層法、血液中ホルモン検査、骨のレントゲン、腎臓・尿管の検査などの検査が必要に応じておこなわれます。

先天性膣欠損症の治療

膣欠損症の治療法は、手術により膣造成術がおこなわれますが、膣の欠損の程度により治療の目的が異なります。
妊娠希望で膣の一部が欠損している場合では、手術によって月経や性交渉、妊娠、出産が可能になるケースがありますが、子宮に異常を伴う場合には妊娠が不可能な場合もあります。
しかし、手術により膣を形成することで性交渉は可能となったり、月経モリミナの症状を改善することができます。

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