不正出血
不正出血とは、月経以外の性器出血で月経周期の低温期、排卵期、高温期さらに妊娠期、産褥期それぞれの時期にみられます。
原因別不正出血の分類
不正出血はさまざまな視点から分類されますが、そのうち原因による不正出血は以下のように分類されます。
器質的疾患による出血
- 子宮膣部…子宮膣部びらん、頚管ポリープ、子宮頸がんなど。
- 子宮体部…子宮筋腫、子宮体がん、縦毛がん、子宮肉腫など。
- 卵巣…卵巣がんなど。
- 卵管…卵管がんなど。
- 妊娠異常…流早産、子宮外妊娠(異所性妊娠)、前置胎盤、胎盤早期剥離など。
全身疾患による出血
- 血液疾患・出血傾向を生じる疾患…血小板減少症、白血病など。
- その他…ビタミンC欠乏症、急性感染症、敗血症など。
機能性子宮出血
機能性出血とは、不正出血のうち妊娠、性器以外の出血、器質的疾患を除外したものをいいます。機能性子宮出血は、不正性器出血の約30%を占めます。
出血の原因診断に必要な問診
不正出血がみられ受診した場合、診断に重要となるものが問診です。
- 月経周期のいつから出血がみられたか。
- 出血が継続した時間・日数はどれくらいか。
- 出血の色調は赤色か褐色かなど。
- はじめての出血か、出血の回数・反復か。
- 妊娠の有無・妊娠していれば妊娠週数。
- 手術の有無、性交との関係、他の合併症、年齢、既往症の有無、薬剤服用の有無など。
不正出血の原因診断に必要な検査
問診のあと、出血部位を確かめるために視診、クスコ診、内診、超音波検査の順に行うのが一般的です。必要に応じて子宮腟部、頸管、内膜の細胞診や組織診さらに画像検査野血液検査を追加して診断の参考とされます。
問診により、妊娠の可能性があれば妊娠検査薬によって妊娠が確認されます。
内診、膣鏡診によりびらんやポリープの有無が確認され、おりものがみられる場合は分泌物を採取し、顕微鏡検査がおこなわれ、さらに細胞診、組織診などがおこなわれます。
その他、超音波検査、CT検査、MRI検査がおこなわれます。
内科疾患が疑われる場合は、血液検査などもおこなわれます。
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