妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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不妊と下垂体

下垂体は、脳の正中部のくぼみの中にあり、脳の直下にぶら下がるように存在し、重さ約700mg、大きさ7~8㎜の非常に小さな組織で視床下部に接しています。下垂体には血管が非常に発達していて、分泌されたホルモンは効率よく全身に運ばれています。
下垂体は、主として前葉と後葉に分けられます。

下垂体前葉から出るホルモン

  • 成長ホルモン(GH) :タンパク合成促進による身体成長促進
  • 甲状腺刺激ホルモン(TSH):甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモン生成促進
  • 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH):副腎皮質ホルモンの合成・分泌促進
  • 卵胞刺激ホルモン(FSH):生殖器の発育促進、卵胞の成熟促進、エストロゲン分泌促進
  • 黄体化ホルモン(LH):アンドロゲン合成分泌促進・排卵誘発・黄体形成
  • プロラクチン(PRL) :乳房を刺激し、乳汁の生成を促進

下垂体後葉から出るホルモン

  • 抗利尿ホルモン(ADH) 別名バゾプレッシン:腎尿細管における水の再吸収を促進
  • オキシトシン:乳汁を排出させる。・分娩時の子宮収縮作用

不妊とゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)

ゴナドトロピンは下垂体から分泌される黄体化ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)のことをいいます。
女性の月経周期は視床下部から分泌されるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)とゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)による指令を受けて下垂体前葉から分泌されるゴナドトロピン(LH・FSH)により制御されています。
下垂体前葉ホルモンである黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)は視床下部からパルス状に分泌されるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)により制御されていますが、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)が高頻度パルス状に分泌される場合は黄体化ホルモン(LH)が優位に分泌され、低頻度パルス状の場合は卵胞刺激ホルモン(FSH)が優位に分泌されます。
視床下部にはじまる月経周期コントロールは下垂体からこれらのゴナドトロピンが放出されることによって卵巣に伝搬され ています。
ゴナドトロピンは卵巣に作用し、卵胞形成、女性ホルモン分泌や排卵及び黄体の維持に関与しています。
卵胞刺激ホルモン (FSH)が卵巣に働いて、卵子の入っている卵胞が発育して、十分に大きくなると黄体化ホルモン(LH)が分泌され、排卵と黄体形成が起こります。
下垂体から分泌されるゴナドトロピンは視床下部からのゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)によって調節されており、この一連の機能のどこか(視床下部、下垂体、卵巣)に異常があると排卵障害、黄体機能不全が起こります。

不妊とプロラクチン(PRL)

プロラクチン(PRL)は、下垂体のプロラクチン産生細胞より分泌され、プロラクチン(PRL)合成はE2や甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)などが促進し、放出抑制因子としてドパーミンが主な役割を果たし、ドーパミン減少は、プロラクチン(PRL)上昇の原因となります。
プロラクチン(PRL)の分泌には、一定のリズムがあり、睡眠中に上昇し、食事にも一過性に上昇するパターンをしめします。
プロラクチン(PRL)の分泌過剰により乳汁漏出や性腺機能低下による月経異常が現れます。高プロラクチン血症ではゴナドトロピン分泌の基礎分泌は保たれれはいますがゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)のパルス状分泌が抑制されているため、LH/FSHの律動的分泌が抑制されて性腺機能低下がもたらされます。

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