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潰瘍性大腸炎(UC)と大腸癌

潰瘍性大腸炎(UC)と大腸癌には関係があることがわかっていています。
日本においても潰瘍性大腸炎の増加とともに大腸癌合併の症例報告も増加しています。
潰瘍性大腸炎の予後は一般的に良好ですが、いったん大腸癌を合併すると死亡率が上昇します。

潰瘍性大腸炎の大腸癌の発症リスク

潰瘍性大腸炎と大腸癌の関係はまだ解明されていませんが、潰瘍性大腸炎の患者さんの追跡調査などから大腸癌が発症するリスクファクターが報告されています。
潰瘍性大腸炎(UC)を発症したあと、10年以上経過した全大腸炎型の発症リスクが高いことが一般的に認められています。
潰瘍性大腸炎の罹患経過が長くなれば罹患範囲が広くなり、大腸癌の発症率も高くなります。
欧米の調査において、癌合併率は罹患してから10年間で全大腸炎型で6.3%、左側大腸炎型で1.0%、直腸炎型ではリスクはないと報告されています。
また、左側大腸炎型に関しては、全大腸炎型と同様であるという報告と全大腸炎型よりもリスクが高いという報告があります。直腸炎型では健康な方と同じリスクであると認められています。
大腸癌のリスクファクターは、潰瘍性大腸炎発症後7~8年後より徐々にリスクが上昇し始め、また、左側大腸炎症では 20 年後 ほどで発ガン率が上がるといわれていますます。 大腸癌の家族歴がある場合、癌の発症が多いと考えれています。
慢性的に下痢や下血などの症状が続くケースの場合には癌化のリスクが高いという報告や高度の炎症のあった症例・炎症性ポリープ多発例にリスクが高いという報告もあります。

潰瘍性大腸癌から発症する大腸癌の特徴

一般の大腸癌は2型が多いに対して、進行癌の形態では1~5型まで多様な形態をとることが多く組織型では未分化癌や粘液癌の比率が通常より高いが、絶対数宇では高分化癌が最も多い。
浸潤性が高いことが多く多発性に出現することも多い。
異型上皮を伴うことも多い。癌の周囲にみられることが多いが離れた部位に生じることもあります。
癌の部位は通常の大腸癌と大差はなく、直腸が4割、左測大腸が過半数を占めています。
予後は通常の大腸癌より悪いとされていましたが、発見時の進行度が進んでいたためで、進行度を合わせると通常の大腸癌とほぼ同様だとされています。

潰瘍性大腸炎(UC)から発症する大腸癌の予防

近年、5-ASA 製薬(ペンタサ、アサコール、サラゾリビン)を内服した場合、内服しない場合より大腸癌の発症が少なかったという報告があります。
潰瘍性大腸炎の発症後10年で2%、30年で18%に癌を合併するといわれているため、異型腺管(癌のもと)があった場合、癌に近い組織型の場合は手術が選択されます

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