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潰瘍性大腸炎(UC)の手術とは

潰瘍性大腸炎の治療は大きく分けて内科的治療と外科的治療にわけられ、潰瘍性大腸炎の基本は内科的治療です。
外科的治療は、大腸穿孔、大量出血、中毒性巨大結腸症、重症型、劇症型で強力な内科治療が無効な場合、がん化などが絶対的手術適応で、大腸穿孔をおこし、大量出血があった場合や中毒性巨大結腸症など命にかかわる場合には緊急手術がおこなわれます。

潰瘍性大腸炎の手術のメリット

外科治療を行う場合は、基本的には大腸を全て摘出するという術式になるため不安も大きいと思います。
しかし、外科的治療を受けることでステロイドなどの薬の副作用から解放され、食事制限がほとんど無くなります。再燃の可能性がほとんどなくなり、入退院の繰り返しから解放されます。腹痛から解放され、排便の心配をする必要がなくなります。

潰瘍性大腸炎の手術のデメリット

潰瘍性大腸炎の手術は、基本的には2回にわけておこなわれ2度の入院が必要となります。
1回目の手術で人工肛門が一時的に作られます。
潰瘍性大腸炎に対する手術は基本的には大腸を全部とってしまいます。
そのため、便が軟便から水様便と柔らなくなり便の回数が増えます。また、便のコントロールがうまくできるまで便漏れがおこることもあります。

潰瘍性大腸炎の手術率

潰瘍性大腸炎に対し内科的治療に反応しないため外科的治療となることも少なくありません。
潰瘍性大腸炎に対する累積手術は、発症後5年で12~14%、10年後で約17%です。
病変範囲別の累積手術率は、Hiwatashiらは全結腸炎で5年後32%、10年後約40%、左側結腸炎ではそれぞれ11%、12~13%、直腸炎では2%、2%という結果であり、全結腸炎では経年的に手術率が増加することを示していたと報告しています。
また、松井らの施設では累積手術率が経年的に増加し、発症後10年で14%、15年で35%であったと報告しています。
また、欧米では潰瘍性大腸炎の累積手術率は5年で8~18%、20年後で15~40%と見積もられています。
さらに、Hiwatashiらな、多施設の共同研究で潰瘍性大腸炎の発症後の経年的な累積手術率を算定し、罹患範囲によって手術率が異なることを明らかにし、重症例もその22~23%が2年以内に手術され、10年で37~38%、15年で50%の手術率であった。中等症例では10年以上は20%以内であり、軽症例は数%以内にとどまっていたという報告しています。

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