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回腸嚢炎の診断基準

回腸嚢炎とは、自然肛門を温存する大腸(亜)全摘術を受けた患者の回腸嚢に発生する非特異的炎症です。原因は不明ですが多くは潰瘍性大腸炎術後に発生し、家族性大腸腺腫症術後の発生は少ないことより、潰瘍性大腸炎の発症機序との関連が推定されています。

回腸嚢炎の診断

回腸嚢炎の診断は、臨床症状、内視鏡所見により診断されます。

回腸嚢炎の臨床症状

  1. 排便回数の増加
  2. 血便
  3. 便意切迫または腹痛
  4. 発熱(37.8度以上)

内視鏡検査所見

  • 軽度:浮腫、顆粒状粘膜、血管透見像消失、軽度の発赤
  • 中等度:アフタ、びらん、小潰瘍*、易出血性、膿性粘液
  • 重度:広範な潰瘍、多発性潰瘍*、びまん性発赤、自然出血

※:staple line ulcerのみの場合は、回腸嚢炎の内視鏡所見とは区別して所見を記載する。

回腸嚢炎の診断基準

少なくとも1つの臨床症状を伴い中等度以上の内視鏡所見を認める場合。また、臨床症状にかかわらず内視鏡的に重症の所見を認める場合は回腸嚢炎と診断する。
除外すべき疾患は、感染性腸炎(サルモネラ腸炎、キャンピロバクタ腸炎、腸結核などの細菌性腸炎、サイトメガロウイルス腸炎などのウイルス腸炎、寄生虫疾患)、縫合不全、骨盤内感染症、術後肛門機能不全、クローン病などがあります。
抗菌剤をはじめとする治療に反応しない、治療薬剤の休薬が困難、年3回以上の回腸嚢炎による臨床症状の増悪がある症例は「難治例」と定義する。

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