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腹部の聴診

腹部の聴診は、腸蠕動運動と腹部血管雑音などを聴診器を使って聴取します。
腹部の聴診は、右下腹部→右上腹部→左上腹部→左下腹部の順で行われます。

腹部の聴診のポイント

腹部の聴診は以下のようなポイントとなります。

腸蠕動音

腸蠕動音とは、腸や胃の蠕動運動に伴って発生するグルグル・ゴロゴロという音のことをいいます。
腸蠕動音を聴取するポイントは、腸の蠕動音が正常、減少、消失、亢進の4つです。

腹部動脈の血管音

腸蠕動音を聴取するポイントは、腹大動脈、左右の腎動脈、左右の総腸骨動脈、左右の大腿動脈の4つです。

腸蠕動音による腸閉塞の鑑別

腹部の聴診において、最も重要なものが腸蠕動音による腸閉塞の鑑別(機械的イレウスと麻痺性イレウスの鑑別)です。
腸管に閉塞または狭窄があるときは間隔を置いて、疼痛発作とともに金属音が聴取されます。
麻痺性イレウスの場合は腸管の蠕動は消失するため、腸の蠕動音を聴取できません。

腹部の聴診による疾患の鑑別

腹部の聴診は疾患の鑑別を行うために重要です。

  • 腸蠕動音の減弱:便秘や腹部の炎症などのほか、手術後などです。
  • 腸蠕動音の消失:腸閉塞(イレウス)などです。
  • 腸蠕動音の亢進:感染性胃腸炎、下痢、腸閉塞(イレウス)の沈静化時などです。
  • 腹部動脈の血管雑音:血管雑音の聴取は腹部動脈の狭窄病変の存在を意味します。
  • 腹部大動脈瘤:聴診器を動脈瘤の近い部位にあてると血液が動脈瘤の中を勢いよく流れるときに生じる摩擦音(シューという音)が聴取できます。
  • 腎動脈:腎動脈狭窄では、片側腹部の微弱な雑音がときとして聴取されることがあり、拡張期雑音の存在は腎血管性高血圧の可能性が高い。
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