腹部の視診
腹部の診察は内科だけでなく、外科、泌尿器科、産婦人科などさまざまな診療科で行われる重要な技術です。
腹部の診察は、視診→聴診→打診→触診の順に行なわれます。
腹部の診察の基本的な体位は仰臥位で膝を立て、両腕は力を抜き両脇腹か前胸部に置きます。
診察のポイントは緊張せずに力を抜きましょう。
腹部の視診
腹部の視診は以下のようなポイントとなります。
腹部外形の変化
- 腹部全体の膨瘤:腹水、腹部腫瘤、鼓腸(腸にガスの貯留)など。
- 限局性の腹部膨瘤:解剖学的にその場所にある臓器の病変など。
- 腹部の陥没など。
腹部皮膚の変化
- 下腹部の皮膚の線条の有無。
- 色素沈着の有無。
- 発疹などの有無。
- 手術痕跡など。
臍の変化
- 色調の変化:出血性膵炎や腹壁内出血では臍が暗赤色となる。
- 臍の突出:臍ヘルニア
その他の腹部の変化
- 蠕動の異常:腸管の通過障害などのときにみられる。
- 腹部の拍動:腹部大動脈による拍動など。
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