妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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分娩期の子宮頚管の熟化

子宮頚部は筒状で内腔を子宮頚管といい、内子宮口から外子宮口までをさし、非妊時には約3㎝あり、妊娠が進むにつれて、熟化(軟化)し伸展しやすくなります。
子宮頚部は子宮体部と異なり、妊娠中は胎児の保持のために一定の硬度を維持する必要がありますが、妊娠後期から分娩に向けて熟化(軟化)することが重要となります。
子宮頚管の熟化(軟化)が妊娠早期に起こると頚管無力症となり流早産の原因となり、分娩時に熟化(軟化)が起こらなければ軟産道強靭として分娩の障害となります。

子宮頚管の熟化の機序

子宮頚部はコラーゲン組織を主とする結合組織からなり、子宮頚管の熟化には妊娠後期の胎児副腎より多量に分泌されるDHA-Aやエストロゲン、プロスタグランジンなどによるコラーゲン分解酵素活性性の亢進が関与しています。
それに加えて、子宮収縮による子宮頚部の上方牽引などが作用して子宮頚管自体に形態的変化が起こり、しだいに子宮口の開大や展退が進行します。さらに、子宮収縮時の子宮内圧の上昇により胎胞の形成、児頭の進入による伸展も直接的に子宮口開大作用に関与しています。

分娩期の子宮頚管の熟化の経過

子宮頚管は、分娩期には胎児を娩出しやすくするために熟化が次のような経過をとります。

分娩開始前

分娩陣痛とは、分娩時にみられる子宮収縮をさし、分娩進行の原動力となります。

子宮頚部はまだ硬い(鼻翼の硬さ)、陣痛やホルモンの分泌などの影響で軟らかくなり、熟化し始めます。

分娩第1期

子宮頚部は口唇状まで柔らかくなります。
児頭の下降による圧迫によって、子宮頚管が展退、開大しはじめ、子宮下部(峡部)は伸展し始めます。

分娩第1期の終わり頃

分娩第1期の終わり頃には子宮頚部はマシュマロ状まで柔らかくなり、子宮頚管の成熟がおこります。
これにより子宮頚管は消失し、子宮口は完全に開大します。
子宮下部(峡部)はさらに伸展し、子宮頚部はさらに伸展し、子宮頚管の消失と合わさって産道は一本の管状のなります。陣痛の測定法には、触診法、外側法、内側法があります。

子宮頚管成熟度とは

子宮頚管成熟度を評価する方法にビショップスコアというものがあり、子宮口の開大度、子宮頚管の短縮度、子宮膣部のかたさを指標とします。
開大度は子宮頚管内の最狭部の直径(㎝)であらわし、短縮度(展退度)は頚管の上下端間の距離(㎝)をあらわし、硬度は硬(鼻翼状)、中(唇状)、軟(マシュマロ状)の3段階に分けられます。

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