妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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分娩期の陣痛の経過

陣痛とは、自分の意思ではコントロールできずに反射して起こる子宮筋の収縮です。
一般的には分娩時の規則的な子宮収縮をさしますが、広くは妊娠中の子宮収縮も含めて表現され、痛みを伴わないこともあります
陣痛は、妊娠陣痛→前駆陣痛→開口期陣痛→娩出期陣痛→後産期陣痛→後陣痛のながれで変化していきます。

妊娠陣痛

妊娠陣痛とは、妊娠期におこる不規則な弱い子宮収縮で痛みを伴わないことが多く、ブラクストン・ピックス収縮ともいわれます。妊娠後期には頻度と強さが増しますが、初産婦、経産婦の違いはみられません。

前駆陣痛

前駆陣痛とは、妊娠後期において分娩開始に先行して起こる陣痛で分娩が近づくと比較的頻繁におこる不規則な子宮収縮をさします。
痛みを伴うこともあり、分娩陣痛の開始と誤ることがありますが、間隔が不規則で長時間休止することもあり、最終的には子宮収縮が止まってしまうことにより判別できます。
子宮口の開大に作用するほどではありませんが、この陣痛により子宮頚部は軟化し、分娩準備状態となります。

分娩陣痛

分娩陣痛とは、分娩時にみられる子宮収縮をさし、分娩進行の原動力となります。
陣痛が10分おきに規則正しくおこるか、または1時間に6回以上の陣痛がおこるときをもって分娩開始とします。
分娩経過に伴って、分娩第1期(開口期)陣痛、分娩第2期(娩出期)陣痛、第3期(後産期)陣痛に分けられます。
分娩の進行とともに子宮収縮はしだいに増強し、周期は短縮し、持続が延長します。

分娩第1期(開口期)陣痛

分娩第1期(開口期)陣痛は、頚管を展退させ、子宮口を開大させます。
時間の経過とともに陣痛発作の持続時間が長くなり、陣痛周期も短くなります。
陣痛発作持続時間は約60秒、陣痛の間隔も2~3分に短縮します。

分娩第2期(娩出期)陣痛

分娩第2期(娩出期)陣痛は、腹圧とともに胎児を娩出させます。
分娩第1期よりも陣痛周期が短くなり、子宮内圧も高まり強さを増します。
さらに、児頭の下降による下部軟産道の圧迫や増強する産痛のために陣痛発作に一致して腹圧が加わるようになります。これを努責(どせき)またはいきみといいます。

第3期(後産期)陣痛

第3期(後産期)陣痛とは、児娩出の5~15分後にいったん休止していた陣痛が再び発来します。この陣痛は後産期陣痛といい、胎盤が娩出するのに役立ちます。子宮は強く収縮するのですが産婦の多くはこれを自覚しません。

後陣痛

後陣痛は、胎盤が娩出したあと、産褥期に不規則におこる子宮収縮で胎盤が剥離した子宮内の血管を圧迫して産褥初期の出血を止め、子宮復古が促されます。しばしば痛みを伴い、とくに経産婦に強い傾向があり、帝王切開での分娩後にも同様にみられます。

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