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分娩第1期(開口期)

分娩第1期(開口期)とは、分娩開始から子宮口が全開大するまでをいいます。
すなわち産道が形成される時期であり、分娩の進行とともに子宮収縮はしだいに増強し、周期が短縮し、持続が延長します。

分娩開始とは

分娩開始時期は、周期的かつしだいに増強して分娩(胎児娩出)まで持続する陣痛が開始した場合に、周期が約10分以内、頻度が1時間に6回以上になった時点とされています。

分娩第1期(開口期)の所要時間

分娩第1期(開口期)の平均所要時間は、初産婦10~12時間、経産婦で4~6時間を要し、分娩期の中でもっとも長時間を要する時期にあたります。

分娩第1期(開口期)の分類

分娩第1期(開口期)は、潜伏期と活動期に分けることができます。

潜伏期

分娩第1期の潜伏期は子宮頚管の短縮が起こり、子宮口の開大が始まる分娩初期段階です。
潜伏期の長さは種々の因子の影響を受けてかわりやすく一定しないことが多い。

活動期

分娩第1期の活動期は、通常、子宮口が3~4㎝開大した時点で活動期に入ります。
活動期には子宮口の開大は急速に進み、初産婦で2~3㎝/時、経産婦で5~6㎝/時開大します。
児頭が骨盤内に下降し、子宮口が全開大に近くなると減速期に入ります。
減速期から分娩第2期にかけての時間は、児頭と骨盤腔との相互関係を反映し、経産婦では分娩所要時間は初産婦の約半分となります。

分娩第1期(開口期)の経過

分娩第1期(開口期)は以下のように経過します。

娩出力

時間の経過とともに陣痛発作の持続時間がながくなり、陣痛周期も短くなります。
陣痛発作持続時間は約60秒、陣痛の間隔も2~3分に短縮します。

産道

陣痛が強くなり、子宮内圧が高まるとともに胎児は骨産道を回旋しながら下降し、軟産道も子宮口の位置が後方(肛門側)から前方(恥骨結合側)へ変わり、子宮頚部の柔軟化、子宮頚部の展退、子宮口の開大が進んでいきます。

胎児

この時期の胎児は、第1回旋、第2回旋を行いながら骨盤内を下降していきます。

胎児付属物・羊水

胎児付属物では、卵膜は次第に大きく剥がれ、陣痛発作時にはこれに羊水が圧入され、胎胞が形成されます。
胎胞内の羊水を前羊水、子宮腔内にある羊水を後羊水といいます。
胎児の下降部が骨盤内に侵入すると胎胞は陣痛発作ごとに膨大し、卵幕が破綻して羊水の漏出をきたします。これを破水といい、子宮口が全開大近くに起こる破水を適時破水、分娩開始以前に起こるものを前期破水、分娩開始後から子宮口の全開大に至る以前に破水するものを早期破水といいます。

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