妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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胎児の頭部

正常分娩では頭部が胎児の先進部となります。 胎児の身体のうちで最も大きく、かたい頭部が産道通過の難易を決定する重要な要因となります。

胎児の頭蓋骨

胎児の頭蓋は、左右の前頭骨、頭頂骨、側頭骨と1つの後頭骨、蝶形骨、篩骨の合計9つの骨からなっています。
胎児の頭蓋骨は未発達でやわらかく、骨と骨の間には隙間がみられ、左右頭頂骨の間を矢状縫合、頭頂骨と前頭骨の間を冠状縫合、頭頂骨と後頭麟の間を人字(ラムダ)縫合といいます。
また、左右前頭骨と頭頂骨に囲まれた菱形の空隙を大泉門、左右頭頂骨と後頭骨に囲まれた三角形の空隙を小泉門といいます。

応形機能とは

分娩時に胎児は、産道の抵抗を受けて縫合および泉門の部分で少しずつ重なり合い(骨重または骨重積)、母体の骨盤に合わせて変形することにより産道内通過が容易になります。このように胎児の頭蓋が骨盤腔に合わせて変形する性質を応形機能といいます。

産瘤とは

産瘤とは、産道通過時の圧迫により児頭の先進部の先端にできる境界不明瞭な皮下の浮腫です。
産瘤は、可動性があり、触れると緊満感がなくやわらかく、波動はふれません。また、1つの頭蓋骨に限局することはありません。
出生時に最も著明で通常2~3日で自然に吸収され消失するもので障害などの影響はなく特に治療の必要はありません。

頭血腫とは

頭血腫とは、産道通過時に児頭が外力を受け、頭蓋骨をおおう骨膜が頭蓋骨から軽い剥離を起こし骨膜下に血腫を形成したものです。
頭血腫は1つの頭蓋骨の範囲に限局し、頭蓋骨の縫合を超えることはなく、境界が明瞭で2個以上のこともあります。
触れると緊張のある腫瘤で波動をふれます。吸引分娩の際に生じることが多く、小さいものであれば1か月以内に自然に吸収されますが、大きなものは消失までに数か月を要することもあります。
頭血腫も自然に吸収されるもので特に治療の必要はありませんが、血腫が高ビリルビン血症の原因となる場合があります。

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