妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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産痛緩和の呼吸法

分娩経過中、陣痛の強いストレスによって産婦は交感神経が興奮状態になっています。その結果、アドレナリンが分泌され、血圧上昇や脈拍数・呼吸数の増加しやすい状態にあります。しかし、陣痛の発作時に意識的に呼吸を調節することによって副交感神経を優位にし、緊張を取り除くことができます。産婦はリラックスし、エネルギーを蓄えることができます。
陣痛がそれほど強くない分娩初期は、自然な呼吸を行い、陣痛間隔が短くなり、痛みに耐えられなくなったら呼吸法を開始します。

ゆっくりした深い呼吸

陣痛が開始したら吸気から呼気を開始し、呼気に意識を集中します。
はじめ深呼吸を2回ほど行い、ゆっくり深い呼吸をはじめ、陣痛が消退したら深呼吸を2回ほと繰り返し、自然な呼吸に戻します。

速くて浅い呼吸

陣痛がゆっくりした深い呼吸でも耐えられなくなる強さになった場合、速くて浅い呼吸をおこない、陣痛が消退したら深呼吸をおこない、自然な呼吸に戻します。

ハッ・ハッ・フー呼吸

陣痛が強く速くて浅い呼吸でも耐えられなくなったら「ハッ・ハッ・フー」の呼吸をおこないます。

軽いいきみ呼吸(フー・ウン)

分娩第1期末から第2期に、さらに陣痛が強くなり児頭が下降してくると児頭が直腸を圧迫し、産婦は陣痛発作のピーク時に努責感(いきみたい感じ)を感じるようになります。子宮口が全開大しないうちに努責をおこなうと産婦の疲労につながったり、子宮口の浮腫が起こり、分娩が遷延したり、子宮頚管裂傷を起こしたりすることとなるため、強い努責をしないよう軽いいきみ呼吸をおこないます。
努責感が強く我慢できないとには、硬式テニスボールを肛門の下において体重をかけて圧迫すると努責感を軽減することができます。
呼吸が速く回数が増えると過換気を起こし、手先や足先のしびれが生じることがあり、このときには陣痛間欠時に18回/分程度のゆっくりした呼吸を行い調節したり、紙袋などを口に当てて呼吸をおこなうことで軽減できます。
痛みが強くなると呼吸が速くなったり、呼吸を止めたりしがちなのでできるだけ落ち着き、看護師や助産師の声賭けをよく聞き、落ち着いてゆっくり呼吸を行うよう心がけましょう。

短息呼吸(ハッ・ハッ・ハッ)

分娩第2期に、児頭の後頭結節が娩出したら短息呼吸を行います。この時期は最もいきみたい努責感が強く、いきみを抑えることがむずかしくなります。
努責することで児頭が急速に娩出すると絵陰部に裂傷が起こりやすくなるので、胸に手を当ててあえぐように短息呼吸(ハッ・ハッ・ハッ)を行います。
胎児が娩出した後は、自然な呼吸をおこないます。

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