妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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乳汁産生調節の内分泌調整

乳汁分泌の調節には、内分泌調整が大きくかかわっています。

内分泌調整とは

内分泌調整(エンドクリンコントロール)とは、胎盤娩出による血中プロゲステロンの急激な低下に伴うプロラクチン作用の発現や甲状腺刺激ホルモン(TSH)、コルチゾールとインスリン、プロラクチン抑制因子、オキシトシンなどのホルモンの作用によって乳汁産生が調整されることで乳汁生成Ⅱ期は内分泌調整(エンドクリンコントロール)によって開始されます。
さらに、吸綴刺激が脊髄経由で脳に伝達され、視床下部のプロラクチン抑制因子を抑制することにより、下垂体前葉からのプロラクチン分泌が促されます。プロラクチンが乳汁産生を促すと同時に、下垂体後葉から分泌されたオキシトシンは筋上皮細胞を収縮させ、射乳反射を起こします。

プロラクチン

プロラクチンは乳汁分泌の開始と維持に必要で甲状腺刺激ホルモンは乳腺の成長と分泌に関与します。
血中プロラクチン濃度は、分娩直後に最高値を示し、その後はゆっくりと低下するのですが、吸綴により一過性に上昇します。(産後22~26日頃では授乳の開始から45分でピークになり血中濃度が2倍となります。)産後1週間で、血中プロラクチン濃度は分娩直後の50%にまで低下するのですが、吸綴により上昇します。
授乳していないと産後7日間で非妊時レベルまで低下します。
プロラクチンには日内変動があり夜間に値が高い。また、授乳回数が多いほうがあ血中プロラクチン濃度が高く、24時間に8回以上授乳していると次の授乳までに濃度が低下するのを防いでいます。プロラクチンはオキシトシンとは異なり、赤ちゃんとの接触によっては上昇しません。

オキシトシン

オキシトシンは、吸綴刺激に反応して下垂体後葉からパルス状に放出され、細胞に作用して収縮させ、乳管に乳汁を押し出して射乳反射を起こさせます。
授乳を開始すると1分以内に血中濃度が上昇し、授乳をやめると6分以内に基礎地に戻ります。
オキシトシンは末梢の血管床を広げることで、血圧を低下させながら血流を増加させる作用があり、授乳中は皮膚温が上昇します。また、オキシトシンは、吸綴の直接の刺激だけでなく、母子の肌の触れ合い、赤ちゃんのことを考える、赤ちゃんの泣き声を聞いたり、赤ちゃんににおいをかいだだけでも射乳反射が起こります。その反面、母親が激しい痛みを感じたり、猜疑心、羞恥心、不安間などでオキシトシン分泌が抑制されます。

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