妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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多胎妊娠

多胎妊娠とは子宮内に同時に複数の胎児が存在する状態をいいます。
胎児の数により、胎児2人を双胎、胎児3人を三胎または品胎、胎児4人を四胎といいます。

双胎の分類

双子は、受精卵の数と絨毛膜・羊膜の数によって分類されています。

卵性による双胎の分類

  • 1卵性双胎:1個の受精卵が2個に分裂することにより発生
  • 2卵性双胎:2個の受精卵から発生し、2個の胎盤があり

膜性による双胎の分類

  • 2絨毛膜2羊膜双胎(DD双胎):2つの胎嚢の中にそれぞれ胎児と卵黄嚢が1つずつみられ、胎児と胎児の間の隔壁は厚い
  • 1絨毛膜2羊膜双胎(MD双胎):1つの胎嚢内に2つの羊膜が確認され、それぞれに胎児がみられ、胎児と胎児の間の隔壁は羊膜のため薄い。
  • 1絨毛膜1羊膜双胎(MM双胎):1つの胎嚢内に胎児が2つ、卵黄嚢が1つみられ、胎児と胎児の間に隔壁はみられません。

多胎妊娠のリスク

多胎妊娠では、単体妊娠に比べ流産や早産、貧血などさまざまな合併症が多く発症するため妊娠中の母児に管理が重要です。

母体側のリスク

単胎妊娠より、胎児数が増加するため母体への負担は大きくなります。
悪阻(つわり)、流産や早産、妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、HELLP症候群、羊水過多症、微弱陣痛、弛緩出血などのリスクが高くなります。

胎児側のリスク

多胎妊娠では子宮内胎児発育遅延、胎児形態異常、子宮内胎児死亡などのリスクが高いことが知られています

双胎間輸血症候群

双胎間輸血症候群は、一つの胎盤を共有している一絨毛膜双胎のみに起こります。
胎児間が胎盤を介して血流がつながって、両児の間に循環血液量の不均衡が生じることによって、両児の循環不全が起こる症候群です。
双胎間輸血症候群は、一絨毛膜性双胎の約10%に起こります。
双胎間輸血症候群は、血液を多くもらう方の胎児(受血児)は循環血液量は多く、高血圧、羊水過多となるため、うっ血性心不全、胎児水腫、胎児機能不全などの合併症を起こしやすく、血液を送り出している胎児(供血児)は、循環血液量が少なく、低血圧、羊水過少となるため、腎不全、子宮内胎児発育遅延(IUGR)、胎児機能不全などの合併症を起こしやすくなります。

多胎妊娠の経過

多胎妊娠の場合早産になる確率が高いため注意して経過を観察する必要があります。
早産になる確率が高いため妊娠後期に入って管理入院とすることもあります。
分娩方法は多くの場合に帝王切開となりますが、双胎妊娠で胎位や分娩する病院にNICU併設などがあれば経腟分娩を行えることがあります。
双胎間輸血症候郡を発生した場合には、胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術が行われます。

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