妊娠・出産・新生児*Dear Mom*
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糖尿病合併妊娠

糖尿病合併妊娠とは、すでに糖尿病を発症している女性が妊娠した場合をいいます。

糖尿病合併妊娠の病態

糖尿病合併妊娠は妊娠全体の0.25~0.54%とされていますが最近増加傾向にあり、これには小児の糖尿病が増加し、その子どもたちが出産年齢に達していることに関係しています。
また、糖尿病のリスクファクターとしての肥満と高齢妊婦が増加していることも問題となっています。
妊娠7週までの高血糖が持続すると、児の先天奇形が非糖尿病の場合の3~5倍となります。そこで糖尿病がある場合は、妊娠前からの厳密な管理が必要だといえます。

糖尿病合併妊娠の診断基準

以下のいずれかを満たした場合に診断する。

  • 空腹時血糖値≧126mg/dl
  • HbA1C≧6.1%(DCCT standardized≧6.5%
  • 随時血糖値>200mg/dl
  • 随時血糖値>200mg/dlの時は、空腹時血糖かHbA1Cで確認
  • 糖尿病網膜症が存在する場合

糖尿病合併妊娠の治療

血糖のコントロールは、空腹時100㎎/dl以下、食後2時間値120㎎/dl以下で低血糖発作がないことを目指します。また、HbA1は7.1~9.3%以下、HbA1cは5.3~5.5、フルクトサミンは219~279を目指します。いずれも、低血糖発作のないことが大切です。
※HbA1、HbA1cは過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映し、フルクトサミンは過去1~2週間の平均血糖値を反映しています。
このような血糖値の管理を行うために自己血糖測定、自己インスリン注射が行われます。
妊娠中は、胎盤や副腎からのホルモン分泌の増加や胎盤でのインスリンの活性化により、インスリンの必要量は非妊時の約2倍に増加します。このため妊娠中の糖尿病は悪化する傾向にあり、妊娠性糖尿病(GDM)がみられます。
妊娠時の糖尿病の診断には75g経口糖負荷試験(75gGTT)を行います。

糖尿病妊婦における母体の合併症

糖尿病妊婦における母体の合併症には、妊娠高血圧症候群、羊水過多症、感染症など。

糖尿病妊婦ににおける胎児の合併症

糖尿病妊婦ににおける胎児の合併症には、巨大児、子宮内胎児死亡、奇形、低血糖、高ビリルビン血症を起こします。

妊娠の許可条件

  1. 血糖値のコントロールが良好であること。
  2. 眼底所見や腎機能障害などの血管性病変が存在しないこと。

※妊娠の継続を希望する場合は、食事療法を中心とした生活の管理をおこない、必要に応じてインスリンを併用します。

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